南魚沼市や周辺地域でスポーツ少年団、地域スポーツクラブを運営されている皆様、またはこれから運営を始めてみようとお考えの皆様、こんにちは。
雪深い南魚沼の地で、子どもたちがスポーツを通じて健やかに成長する姿は、まさに地域の宝です。
しかし、令和8年度(2026年度)から本格化する部活動の地域移行という大きな転換期を迎え、運営側の責任と負担はかつてないほど重くなっています。
「長年の慣習で運営してきたけど、万が一の事故の時、誰が責任を負うの?」
「保護者とのトラブルを未然に防ぐには、何をしておけばいいの?」
「補助金をもらうには、どんな書類が必要なの?」
このような不安を抱えたまま運営を続けることは、ボランティア精神で関わる皆様にとって大きなリスクです。
本記事では、南魚沼地域に特化したスポーツ団体の法的リスク管理と、行政書士がサポートできる具体的な対策について解説します。
1. 南魚沼市の現状:部活動地域移行で何が変わるのか
〈 令和8年度から始まる大きな変化 〉
現在、南魚沼市では「休日における部活動の地域移行」が急速に進んでいます。
南魚沼市教育委員会の計画によれば、令和5年度から7年度までの3年間を移行期間として、令和8年度(2026年度)から休日の部活動を地域主体で活動する地域クラブ活動に完全移行する方針が示されています。
これにより、これまでの「学校の部活」という枠組みから離れ、地域の有志や保護者会が主体となった「自立した運営団体」としての責任が求められるようになります。
➡ 参考:南魚沼市教育委員会「休日の部活動の地域移行(地域展開)」
〈 南魚沼地域特有の課題 〉
南魚沼市や周辺地域では、以下のような課題に直面しています。
① 少子化による合同チーム化の増加
単独の小学校・中学校での部員確保が難しくなり、近隣地域との合同運営が増えています。
これにより、権利義務関係が複雑化し、「どの団体が責任を負うのか」が不明確になるケースが増えています。
② 受益者負担への転換
これまでの部活動とは異なり、指導者への謝金や施設利用料を会費で賄う必要が生じています。
保護者からは「なぜお金がかかるのか」という疑問の声も上がっており、金銭管理の透明性が強く求められています。
③ 運営主体の責任の明確化
万が一の事故の際、誰が責任を負うのか(監督個人の責任か、団体としての責任か)を明確にする規約が不可欠です。
特に雪国である南魚沼では、冬場の移動中の事故リスクなど、地域特有のリスクへの備えが必要です。
④ 補助金活用のための組織整備
南魚沼市認定地域クラブ活動費補助金などの公的支援を受けるには、一定の組織要件を満たす必要があります。
令和7年度は10回程度、令和8年度は10回以上の活動実績が求められるなど、具体的な基準が設けられています。
➡ 参考:南魚沼市教育委員会「南魚沼市認定地域クラブ活動費補助金」
2. 放置すると危険な「3つの法的リスク」
地域スポーツクラブや少年団の運営において、法的整備を怠ると以下のような事態に発展する恐れがあります。
〈 リスク①:指導中・遠征中の「事故賠償リスク」 〉
雪国である南魚沼では、冬場の体育館への移動や、除雪が不十分な場所での活動など、特有の事故リスクが伴います。
万が一、子どもが重傷を負った際、「適切な安全配慮義務」を尽くしていたことを証明できる規約や同意書がないと、運営者や指導者が多額の損害賠償を請求される可能性があります。
特に任意団体の場合、法人格がないため、団体として責任をとることができず、代表者や指導者個人が責任を負うことになります。
【 実際のリスク例 】
• 雪道での送迎中の事故
• 除雪不十分な施設での転倒事故
• 指導中の熱中症や怪我
• 遠征先での事故
これらすべてにおいて、「予見可能性」と「結果回避義務」が問われます。
〈 リスク②:保護者・指導者間の「人間関係トラブル」 〉
「指導方針への不満」「会費の使途不明」「車出しの当番制による負担感」など、保護者間のトラブルは絶えません。
これらは、「あらかじめルールが明文化されていないこと」が原因のほとんどです。
【 よくあるトラブル事例 】
• 指導者の体罰的な指導への苦情
• 会費の使途についての疑問
• 保護者の当番負担の不公平感
• 子どもの出場時間への不満
• SNSでの個人情報・写真の無断使用
〈 リスク③:団体の「法的身分」の曖昧さ 〉
多くの少年団は「任意団体」として活動していますが、以下のような不便さがあります。
• 銀行口座の変更問題:代表者が変わるたびに口座名義変更に苦労
• 契約の主体になれない:施設利用契約などを団体名義で結べない
• 代表者個人の資産リスク:トラブル時に代表者個人の資産が危険にさらされる可能性
• 助成金の制限:スポーツ振興くじ助成(toto)など、法人格を求める助成金が利用できない
3. 今すぐ見直すべき「運営の基盤づくり」
これらのリスクから団体を守るため、以下の「書面によるルールづくり」が必要不可欠です。
① 規約(会則)の抜本的見直し
「昔からある古い会則」をそのまま使っていませんか?
現代のコンプライアンスに合わせ、以下の項目を盛り込む必要があります。
【 必須項目 】
• 目的・活動内容:団体の存在意義を明確に
• 会員資格と入退会:誰が参加できるか、退会時の手続き
• 役員の権限と責任:代表者、会計、監事の役割分担
• 会計規定:会費の徴収方法、使途、監査の方法、剰余金の取り扱い
• 責任の所在:事故発生時の団体の免責範囲と、指導者の権限
• ハラスメント防止規定:体罰や暴言、パワーハラスメントの禁止と処分規定
• 個人情報保護規定:名簿管理、写真使用のルール
• 解散時の財産処分:団体が解散した場合の資産の扱い
② 参加同意書(リスク承諾書)の整備
保護者から「活動に伴うリスクを理解し、同意する」という書面をもらうことは、組織を守るための基本です。
【 記載すべき内容 】
• 活動中の負傷に関する保険の範囲:どこまで補償されるか
• 緊急時の医療処置への同意:応急手当や救急搬送の許可
• 南魚沼特有の送迎トラブル防止:「送迎中の事故については、運転者と保護者間で解決する」といった文言
• 個人情報・肖像権の同意:SNSでの活動報告や、大会パンフレットへの氏名・写真掲載の許可
• 保険加入の確認:スポーツ安全保険等への加入確認
③ 個人情報保護と肖像権の管理
SNSでの活動報告や、大会パンフレットへの氏名掲載。
これらも、事前に「写真使用の同意」を得ておかなければ、後に大きなトラブルに発展します。
【 注意すべきポイント 】
• 顔がはっきり写った写真の使用許可
• SNS投稿時の配慮事項
• 卒業後の写真使用の取り扱い
• 同意の撤回方法の明示
4. 行政書士が推奨する具体的な対策
〈 対策①:現状に合わせた規約のカスタマイズ 〉
インターネット上の雛形をそのまま使うのは危険です。
南魚沼市の地域特性や、その競技特有のリスク(例:スキー・スノーボードにおける衝突事故や雪崩リスク、遠征時の豪雪による遅延など)を反映させなければ、いざという時に役立ちません。
〈 対策②:保険加入の徹底確認 〉
スポーツ安全保険への加入は必須です。
ただし、保険でカバーできる範囲とできない範囲を明確に理解し、保護者に説明する必要があります。
【 保険の注意点 】
• 加入した団体の管理下における団体活動のみ補償
• 個人的な活動は補償対象外
• 学校の管理下の活動は補償対象外(地域移行後の活動は対象)
➡ 参考:公益財団法人 スポーツ安全協会「スポーツ安全保険」
〈 対策③:デジタル化による透明性の向上 〉
会計や連絡網のデジタル化により、透明性を高めることができます。
【 推奨ツール 】
• 会計管理:クラウド会計ソフト
• 連絡網:LINEグループ、メーリングリスト
• 活動記録:Google Drive、Dropboxでの共有
• 出欠確認:スケジュール管理アプリ
〈 対策④:外部ガバナンスの導入 〉
行政書士などの専門家を「監事」や「顧問」に据え、客観的なチェック体制を作ることで、運営の透明性と信頼性が向上します。
5. 手続きの流れと注意点
行政書士がサポートする場合、以下のような流れで健全な運営体制を構築します。
〈 ステップ1:現状ヒアリング 〉
• 団体の規模、種目、活動内容
• 過去のトラブル事例や懸念事項
• 現在の規約の有無と内容
• 補助金活用の希望
〈 ステップ2:素案作成 〉
• 最新の裁判例やガバナンスコードに基づいた規約案を作成
• 南魚沼市の補助金要件に合わせた内容に調整
• 同意書、契約書などの書式整備
〈 ステップ3:総会での承認支援 〉
• メンバー(保護者や指導者)へ説明
• 合意形成を図るためのアドバイス
• 議事録作成のサポート
〈 ステップ4:運用開始 〉
• 同意書の配布と回収
• 南魚沼市の「認定地域クラブ活動費補助金」などに向けた書類整備
• 定期的な見直しのサポート
【 重要な注意点 】
規約は「作って終わり」ではありません。
南魚沼市の補助金要件(所属中学生の人数や活動回数など)は年度によって変わる可能性があるため、常に最新情報を反映させる必要があります。
また、令和7年度は10回程度、令和8年度は10回以上の活動実績が補助金受給の要件となっているため、活動計画も慎重に立てる必要があります。
➡ 参考:南魚沼市教育委員会「南魚沼市認定地域クラブ活動費補助金」
6. 行政書士ができること・できないこと
「法律の専門家」と言っても、役割によってできる範囲が異なります。
| 項目 | ✔ 行政書士ができること | ✖ できないこと |
| 書類作成 | 規約、同意書、契約書、議事録の作成 | 争いのある訴訟書類の作成 |
| 許認可・補助金 | NPO法人設立、市への補助金申請代行 | 税務申告(税理士業務) |
| コンサル | トラブルを未然に防ぐ運営体制のアドバイス | 既に発生した紛争の代理交渉(弁護士業務) |
| 法人設立 | NPO法人、一般社団法人の設立支援 | 株式会社の設立(司法書士業務) |
【 ポイント:行政書士は「予防法務」のプロ 】
行政書士は、トラブルが起きてから動くのではなく、「トラブルを起こさないための仕組み作り」をサポートいたします。
「こんな事態になる前に相談しておけば良かった」と後悔する前に、ぜひ行政書士をご検討ください。
7. よくある質問(FAQ)
Q1. 少年団の規約なんて、ネットの雛形で十分ではないですか?
A. 雛形はあくまで一般的なものです。
南魚沼市の地域特性や、その競技特有のリスク(例:スキー・スノーボードにおける衝突事故や雪崩リスク、遠征時の豪雪による遅延など)を反映させなければ、いざという時に役立ちません。
また、南魚沼市の補助金要件や、新潟県の部活動地域移行方針に沿った内容にする必要があります。
Q2. 任意団体からNPO法人にした方が良いですか?
A. 団体の規模や今後の展望によります。
法人化すれば社会的信用は高まりますが、事務負担も増えます。
【 NPO法人化のメリット 】
• 社会的信用の向上
• 補助金・助成金の対象拡大
• 契約や財産所有が団体名義で可能
• 代表者個人のリスク軽減
【 NPO法人化のデメリット 】
• 設立に5~6か月かかる
• 事業報告書の作成義務
• 行政庁の監督を受ける
• 年次更新の手続き負担
南魚沼市の地域移行に伴い、補助金受給の要件として組織化が求められるケースもあるため、まずは現状の規約整備から始めるのが現実的です。
Q3. 保険に入っていれば、規約は必要ないのでは?
A. 保険と規約は別物です。
保険は「事故が起きた後の金銭的補償」ですが、規約は「事故を未然に防ぐ仕組み」であり、「責任の所在を明確にするルール」です。
両方を整備することで、初めて安全な運営体制が完成します。
Q4. 同意書を取るタイミングはいつが良いですか?
A. 入会時と年度初めの2回がベストです。
入会時には包括的な同意書を、年度初めには活動内容や保険内容の変更を反映した同意書を取得することをお勧めします。
Q5. 補助金の申請は自分たちでもできますか?
A. 可能ですが、南魚沼市の補助金には細かい要件があり、書類不備で却下されるケースも少なくありません。
特に初めての申請の場合は、行政書士など専門家のサポートを受けることで、スムーズかつ確実に申請できます。
Q6. 地域クラブ活動の認定を受けるメリットは?
A. 南魚沼市の認定地域クラブになると、以下のメリットがあります。
• 活動場所の優先的確保(市内中学校施設の利用等)
• 部活動支援バスの使用が可能(当面の間)
• 消耗品などの一部費用の補助(当面の間)
• 指導者人材バンクの活用
➡ 参考:南魚沼市教育委員会「南魚沼市地域クラブの申請・認定」
8. 今後の課題と解決案
〈 課題①:少子化による団員減少 〉
南魚沼市でも少子化が進み、単独チームの維持が困難になっています。
【 解決案 】
• 近隣市町村(魚沼市、湯沢町など)との広域連携
• 複数競技を体験できる「マルチスポーツクラブ」化
• 小学生から中学生、さらには高校生・社会人も参加できる「縦のつながり」作り
〈 課題②:指導者の確保と質の向上 〉
外部指導者の活用が進む中、責任の範囲は曖昧になりがちです。
【 解決案 】
• 指導者との委託契約書の整備
• 指導者講習会への参加義務化(南魚沼市では年1回実施)
• 指導者人材バンクの活用
• 謝金・報酬基準の明確化
〈 課題③:保護者の負担軽減 〉
「ボランティアだから」という言い訳が通用しない時代だからこそ、プロの手による「運営のルール化」が必要です。
【 解決案 】
• 当番制の見直しと負担の可視化
• デジタルツールによる効率化
• 有償ボランティアの導入検討
• 外部委託(送迎、会計など)の活用
〈 課題④:財源の確保 〉
会費だけでは運営が厳しくなっています。
【 解決案 】
• 南魚沼市の補助金の積極活用
• 企業協賛の獲得
• クラウドファンディングの活用
• NPO法人化による寄付金控除の活用
9. まとめ:安心して活動するために
南魚沼の子どもたちが、安全に、そして指導者の皆様が安心して活動に専念できる環境を作る。
そのためには、しっかりとした「法的な基盤」が欠かせません。
「規約が古くて心配だ」
「部活動移行に向けて組織を整えたい」
「補助金を申請したいが、何から始めればいいかわからない」
このようなお悩みをお持ちの運営者様、保護者代表者様。
まずは行政書士などの専門家へお気軽にご相談ください。
行政書士は、皆様の地域に寄り添った最適な運営サポートをご提案いたします。
南魚沼のスポーツの未来を、確かな「書面」と「安心」で支えましょう。
出典・参考
• 南魚沼市教育委員会「休日の部活動の地域移行(地域展開)」
• 南魚沼市教育委員会「南魚沼市地域クラブの申請・認定」
• 南魚沼市教育委員会「南魚沼市認定地域クラブ活動費補助金」
• 新潟県教育庁保健体育課PDF「休日の部活動の地域移行について」
• 公益財団法人 スポーツ安全協会
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