新潟県南魚沼市および周辺地域にお住まいの皆様、こんにちは。
冬の足音が聞こえ始めると、豪雪地帯で暮らす私たちにとって心配なのが「空き家の雪害リスク」です。
実家を相続したものの誰も住んでいない、親が施設に入居して家が空いたまま…そんな空き家を抱えている方、雪の重みによる倒壊の危険を感じていませんか?
「早く解体したいけれど費用が心配」
「補助金があるらしいけれど申請が難しそう」
「どの業者に頼めばいいかわからない」
そんなお悩みをお持ちの方に向けて、行政書士の立場から空き家解体補助金の活用法と適切な業者選びのポイントを詳しく解説します。
1. なぜ今、雪国での空き家解体が急務なのか
〈 豪雪地帯特有の深刻なリスク 〉
新潟県、特に南魚沼市や魚沼市、湯沢町、十日町市といった豪雪地帯では、空き家の放置は都市部以上に深刻な問題を引き起こします。
① 積雪による突然の倒壊リスク
南魚沼地方の湿った重い雪は、1立方メートルあたり300〜500キログラムに達することもあります。
老朽化した空き家は耐荷重が著しく低下しており、一晩のドカ雪で屋根が抜けたり、建物全体が押し潰されたりする危険があります。
② 近隣への損害賠償責任
万が一、空き家が倒壊して隣家を破損させたり、公道を塞いだりした場合、所有者は民法717条「工作物責任」に基づき多額の損害賠償責任を問われる可能性があります。
雪国では、雪の重みによる倒壊は「予見可能な事故」とされるため、管理責任を厳しく問われるケースが増えています。
③「特定空家等」指定による税負担増
2023年12月に改正された「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、倒壊の恐れがある空き家は「特定空家等」や「管理不全空家等」に指定される可能性があります。
指定されると固定資産税の住宅用地特例が解除され、税金が最大6倍に跳ね上がるほか、改善命令に従わない場合は過料の対象となることもあります。
➡ 参考:国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」
このような事態を避けるため、南魚沼市をはじめとする自治体では、解体費用を支援する「補助金制度」を設けています。
2. 失敗しない解体業者の選び方:「解体工事業登録」とは?
解体工事を依頼する際、見積書の安さだけで業者を選んでいませんか?
実は、解体工事を行うには法律に基づいた「資格」が必要です。
無資格の業者に依頼してしまうと、不法投棄などのトラブルに巻き込まれるリスクがあります。
① 解体工事業登録と建設業許可の違い
解体工事を請け負う業者は、以下のいずれかを有していなければなりません。
| 区分 | 対象となる工事金額 | 必要な資格 |
| 解体工事業登録 | 500万円未満の解体工事 | 都道府県知事への登録(建設リサイクル法) |
| 建設業許可(解体工事業) | 500万円以上の解体工事 | 都道府県知事または国土交通大臣の許可 |
一般的な戸建て住宅の解体(100万〜300万円程度)であれば、「解体工事業登録」を受けている業者で施工可能です。
➡ 参考:新潟県「解体工事業の登録について」
【 重要 】 補助金申請時には業者の登録確認が必須
補助金申請の際には、業者の登録番号や許可証の写しが求められます。
無登録の業者に依頼してしまうと、補助金が受けられなくなる可能性があるため、必ず事前に確認しましょう。
【 確認方法 】
• 新潟県土木部監理課で登録簿を閲覧
• 業者に直接「解体工事業登録証」の提示を求める
• 一般社団法人 新潟県解体工事業協会に問い合わせ
➡ 参考:新潟県「解体工事業者登録簿の閲覧」
3. 南魚沼市・周辺地域の空き家解体補助金制度(2026年2月時点)
① 南魚沼市「空家等除却事業補助金」
南魚沼市では、老朽化した空き家の解体に対して補助を行っています。
【 補助金額 】
• 基本額:20万円
• 居住誘導区域内の加算:4万円
• 合計最大:24万円
【 令和7年度の予算 】
• 通常区域:200万円
• 居住誘導区域内:120万円
➡ 参考:南魚沼市「空家等除却事業補助金」
【 主な条件 】
⑴ 過去1年以上使用されていない空き家であること
⑵ 今後使用する見込みがないこと(相続により取得した場合)
⑶ 専用住宅または併用住宅(延べ床面積の半分以上が居住用)であること
⑷ 市税の滞納がないこと
⑸ 補助対象経費が50万円を超えること
⑹ 市内業者が施工すること
【 受付期間 】
令和7年4月1日(火曜日)から予算額に達するまで
【 注意事項 】
• 予算に達し次第終了するため、冬の間に準備を進め、4月に即申請するのが定石です
• 交付決定前に着工した除却工事は補助対象外です
② 魚沼市「空家等解体補助金」
魚沼市でも独自の解体補助制度があります。
【 補助金額 】
• 補助対象経費の2分の1または50万円のいずれか少ない額
【 主な条件 】
⑴ 年以上居住その他使用がなされていない建築物
⑵ 市内に本店若しくは営業所等を有する法人又は個人事業主が行う工事
⑶ 補助対象者の属する世帯の所得が1,000万円未満
⑷ 過去5年間に当該補助金の交付を受けていない
➡ 参考:魚沼市「空家等解体補助金交付要綱」
【 特徴 】
• 申請多数の場合は抽選になることもあります
• 所得制限があるため、事前に確認が必要です
③ 十日町市の空き家除却支援
十日町市では、独自の空き家除却支援事業があり、豪雪地帯特有の倒壊危険度に応じた評価が行われます。
➡ 参考:十日町市「空き家対策」
4. 補助金申請と解体手続きの完全フロー
補助金申請は「ただ書類を出せば終わり」ではありません。
以下の7つのステップを正確に踏む必要があります。
〈 ステップ1:事前相談・現地調査 〉
自治体の担当者が現地を訪れ、「補助対象になるか」を判定します。
この段階で、建物の状態や補助金の対象要件を満たしているかを確認します。
〈 ステップ2:解体業者からの見積もり取得 〉
解体工事業登録を持つ複数の業者から見積書を取得します。
市内業者が条件となっているケースが多いため、地域の登録業者をリストアップしましょう。
〈 ステップ3:補助金交付申請 〉
多数の添付書類と共に申請書を提出します。
【 必要書類(例:南魚沼市の場合)】
• 申請書(様式第1号)
• 納税証明願(有料:300円)
• 宣誓書
• 工事の見積書
• 対象空家の位置図と写真
• 登記事項証明書(未登記の場合は課税台帳登録証明書)
• 補助金の振込先口座を確認できる通帳等の写し
• その他、市長が必要と認めた書類
【 相続した空き家の場合 】
• 相続人全員の同意書
• 戸籍謄本など関係を証明する書類
〈 ステップ4:交付決定の通知 〉
自治体から交付決定の通知が届いて初めて、契約・着工が可能になります。
【超重要】
交付決定前の着工は補助金対象外となりますので、絶対に先走らないでください。
〈 ステップ5:解体工事の実施 〉
交付決定後、業者と正式に契約を結び、工事を開始します。
工事中は、施工前・施工中・施工後の写真を記録として残しておきましょう。
〈 ステップ6:実績報告 〉
工事完了後、30日以内または年度内(3月末)のいずれか早い日までに、実績報告書を提出します。
【 必要書類 】
• 実績報告書兼請求書
• 領収書または支払証明書
• 施工前後の写真
• 廃棄物処理の証明(マニフェストなど)
〈 ステップ7:補助金の振込 〉
審査完了後、指定口座に補助金が振り込まれます。
通常、報告書提出から1〜2か月程度かかります。
5. 行政書士ができること・できないこと
空き家解体と補助金申請において、行政書士は「書類作成のプロフェッショナル」として、以下の範囲で皆様をサポートします。
〈 ✔ 行政書士ができること(代行・サポート)〉
① 補助金交付申請書の作成・提出代行
• 複雑な申請書類の作成を専門家が代行
• 自治体との事前調整・相談の同席
② 解体業者との連絡調整
• 見積書の依頼や登録番号の確認
• 複数業者の比較検討サポート
• 信頼できる地元業者の紹介
③ 戸籍謄本や登記事項証明書の職権請求
• 相続が絡む場合の面倒な戸籍収集を一括代行
• 相続人全員の同意書作成支援
④ 解体工事業登録の申請サポート
• 業者様向けに、新規登録・更新手続きを支援
⑤ 解体後の土地活用コンサルティング
• 売却や賃貸に関する契約書作成
• 空き家バンク登録の支援
〈 ✖ 行政書士ができないこと(他士業の業務)〉
• 建物滅失登記の申請 → 土地家屋調査士の業務です
• 遺産分割協議の仲裁・代理 → 弁護士の業務です
• 相続税の申告 → 税理士の業務です
• 不動産の売買仲介 → 宅地建物取引士(不動産業者)の業務です
6. よくある質問(FAQ)
Q1. 相続したばかりで、まだ名義が亡くなった父のままです。申請できますか?
A. はい、可能です。
ただし、相続人全員の同意書や、戸籍謄本などの関係を証明する書類が必要になります。
Q2. 補助金は必ずもらえますか?
A. 自治体の予算には限りがあり、先着順や抽選となるケースが多いです。
また、建物の老朽化度合いが基準に満たない場合は対象外となることもあります。
早めの事前調査と申請準備が鍵となります。
Q3. 冬の間に解体工事はできますか?
A. 豪雪地帯では、積雪期(12月〜3月)の解体工事は困難です。
雪解け後の4月から着工するケースが一般的です。
ただし、補助金は予算に達し次第終了するため、冬の間に申請準備を進め、春の工事着工に備えるのが賢明です。
Q4. 家財道具の処分費用も補助金の対象ですか?
A. いいえ、家財・家具の処分費は補助対象外です。
解体工事費、廃材の収集運搬費、工作物の撤去費用のみが対象となります。
家財処分については、別途遺品整理業者などに依頼する必要があります。
7. 今後の課題と解決策:持続可能な空き家対策に向けて
〈 課題1:補助金制度の持続性 〉
現在、全国的に空き家が増加しており、補助金制度もいつまで現在の規模で維持されるか不透明です。
人口減少が進む中、自治体の財政も厳しくなっており、補助額の減額や制度の廃止も懸念されます。
〈 課題2:解体後の「管理不全な空き地」問題 〉
補助金を受けて解体しても、その後の跡地利用が決まらず「管理不全な空き地」になるケースが増えています。
雑草が生い茂り、不法投棄の温床になるなど、新たな問題が発生しています。
【 解決策(案):総合的な土地活用プラン 】
① 隣地への売却
• 境界が接している隣地所有者に購入を打診
• 行政書士が売買契約書を作成
② 空き家バンクとの連動
• 南魚沼市・魚沼市の空き家バンクに登録
• 移住希望者へのアプローチ
③ 太陽光発電や駐車場への転用
• 固定資産税の負担を軽減
• 収益化により管理費を捻出
④ 自治体への寄付・売却
• 公共用地として活用してもらう
• 固定資産税の負担から解放
行政書士は、こうした解体後の土地活用に関するコンサルティングや、売買・賃貸契約書の作成を通じて、解体後の安心までトータルで設計します。
8. 【重要】特定空家等指定を回避するために今すぐできること
2023年12月の法改正により、「管理不全空家等」という新しいカテゴリーが追加されました。
これは「放置すれば特定空家等になるおそれがある空き家」を指し、より早い段階で行政指導の対象となります。
【 管理不全空家等に指定される前兆 】
• 窓ガラスが割れている
• 屋根材が一部剥がれている
• 外壁が著しく汚れている
• 敷地内に雑草が生い茂っている
• 樋が外れている
これらの状態を放置していると、自治体から「助言・指導」→「勧告」と段階的に措置が進み、勧告を受けた翌年度から固定資産税が最大6倍になります。
【 今すぐできる対策 】
• 定期的な見回り(月1回程度)
• 簡易な修繕の実施
• 除草作業の実施
• 早期の解体・売却の検討
➡ 参考:国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」
8. まとめ:雪が降る前に、まずは無料相談を
南魚沼の厳しい冬を、倒壊の不安を抱えながら過ごすのは非常に辛いものです。
「解体工事業登録」の確認から、複雑な「補助金申請」まで、地元の事情に精通した専門家にお任せいただくことで、スムーズかつ確実な解体が実現します。
こんなお悩みありませんか?
• 「自分の家は補助金の対象になる?」
• 「何から手を付ければいいかわからない」
• 「相続したばかりで名義変更もしていない」
• 「信頼できる解体業者が見つからない」
• 「解体後の土地をどうすればいいか悩んでいる」
行政書士などの専門家が、あなたの街のパートナーとして、安心な冬支度をお手伝いいたします。
出典・参考
• 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」
• 新潟県「解体工事業の登録について」
• 新潟県「解体工事業者登録簿の閲覧」
• 南魚沼市「空家等除却事業補助金」
• 魚沼市「空家等解体補助金交付要綱」
• 十日町市「空き家対策」
• 一般社団法人 新潟県解体工事業協会
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※本記事は令和8年2月時点に入手可能な公的情報をもとにしています。年度によって制度内容が変更されている可能性があります。必ず最新の法改正情報などでご確認ください。