外国人雇用を検討している経営者や人事担当の方、こんな悩みを抱えていませんか?
「求人を出す前に相談すべき?それとも採用が決まってから?」
「留学生アルバイトを正社員にしたいけど、いつ手続きすればいい?」
「ビザの更新時期を見落として、気づいたら期限が…」
実は、相談のタイミングを誤ると、せっかくの採用が水の泡になったり、最悪の場合「不法就労助長罪」で罰則を受けるリスクすらあります。
2026年現在、改正入管法の影響で外国人雇用のルールは年々複雑化し、2027年6月には従来の技能実習に代わる「育成就労制度」も本格スタートします。
このタイミングで正しい知識を持っておかなければ、企業として大きな損失につながりかねません。
本記事では、「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」など、比較的需要の高い在留資格に絞り、いつ・どのタイミングで専門家に相談すべきかを徹底解説します。
地域の実情や最新制度も踏まえた実践的な内容ですので、ぜひ最後までお読みください。
1. 外国人雇用で行政書士に相談すべき「3つの決定的タイミング」
結論から申し上げると、相談は「早ければ早いほど良い」というのが鉄則です。
しかし、特に重要な3つのフェーズがあります。
① 求人募集を開始する前(計画段階)
これが最も見落とされがちで、かつ最重要のタイミングです。
多くの企業が「まだ採用が決まっていないから相談は早い」と考えますが、実はこの段階でこそ専門家の助言が必要です。
なぜなら、以下のような致命的な失敗を防げるからです。
• 自社の業務内容が、そもそもビザ(在留資格)の対象になっていない
• 募集する職種と在留資格の要件がミスマッチしている
• 必要な企業側の準備(支援体制など)ができていない
【 具体例 】
飲食店が「調理スタッフ」として外国人を募集したものの、実は単純労働とみなされ、一般的な就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)では許可が下りないケースがあります。
この場合、「特定技能(外食業)」での募集に切り替える必要がありますが、企業側に支援義務が発生するため、事前準備が不可欠です。
出入国在留管理庁の「在留資格一覧表」を見ても、どれが自社に適しているか判断するのは容易ではありません。
この段階での相談が、無駄な採用コストと時間を節約する最大のポイントです。
② 採用内定を出す直前(最終確認段階)
候補者が絞り込まれた時点で、必ず専門家によるチェックを入れるべきです。
特に「技術・人文知識・国際業務(技人国)」という在留資格では、出入国在留管理庁のガイドラインにより、次の点が厳格に審査されます。
• 大学や専門学校での専攻分野と、実際の業務内容が関連しているか
• 実務経験年数が要件を満たしているか(学歴がない場合は原則10年以上必要)
• 日本人と同等以上の報酬が支払われるか
「経営学部卒の候補者をITエンジニアとして雇いたい」という場合、専攻と業務の関連性が証明できなければ不許可になります。
このような判断は素人には難しく、内定を出してから「ビザが下りませんでした」では、企業も本人も大きな痛手を負います。
③ 在留期限の3ヶ月前(更新・変更手続き)
既に外国人を雇用している企業で最も多いトラブルが、「うっかり更新を忘れた」というケースです。
在留期限を1日でも過ぎれば「不法残留」となり、本人は退去強制の対象に、企業は「不法就労助長罪」(入管法第73条の2)で3年以下の懲役または300万円以下の罰金という重い罰則を受ける可能性があります。
厚生労働省の資料「外国人の雇用」でも、雇用主の責任として在留資格や在留期限の確認が義務づけられています。
また、留学生アルバイトを卒業後に正社員として雇用する場合、「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更が必要です。
この手続きには1〜3ヶ月かかるため、卒業の2〜3ヶ月前(1月〜2月頃)には動き始めないと、4月入社に間に合いません。
2. 在留資格別:相談タイミングと手続きの流れ
外国人雇用でよく使われる在留資格に絞り、具体的な手続きの流れと相談すべきタイミングを解説します。
① 技術・人文知識・国際業務(技人国)
【 対象職種 】
ITエンジニア、経理、営業、通訳・翻訳、デザイナー、企画職など、いわゆるホワイトカラー職種
【 要件のポイント 】
• 大学卒業または日本の専門学校で「専門士」以上の学位
• 業務内容と専攻分野の関連性
• 日本人と同等以上の給与水準
【 手続きの流れ 】
⑴ 雇用契約の締結
⑵ 在留資格認定証明書交付申請(海外から呼び寄せる場合)または在留資格変更許可申請(既に日本にいる場合)
⑶ 審査期間:1〜3ヶ月
⑷ 許可後、入国または在留カード受領
【 相談すべきタイミング 】
• 募集要項を作成する段階(職務内容の精査)
• 内定前の最終確認(候補者の学歴・経歴との適合性チェック)
➡ 参考:出入国在留管理庁「技術・人文知識・国際業務」
② 特定技能(1号・2号)
【 対象分野 】
介護、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、自動車運送業、鉄道、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、林業、木材産業の16分野(2026年現在)
【 要件のポイント 】
• 技能試験と日本語試験の合格(技能実習2号修了者は免除)
• 企業側に「1号特定技能外国人支援計画」の作成・実施義務
【 手続きの流れ 】
⑴ 受入れ機関(企業)の要件確認
⑵ 支援計画の作成(登録支援機関に委託も可能)
⑶ 雇用契約の締結
⑷ 在留資格認定証明書交付申請または変更許可申請
⑸ 審査期間:1〜4ヶ月
⑹ 定期的な支援実施と出入国在留管理庁への報告義務
【 相談すべきタイミング 】
• 特定技能での受入れを検討し始めた段階(支援体制の構築)
• 登録支援機関を選定する前
• 支援計画の作成段階
特に注意が必要なのは、企業側の負担の大きさです。
支援計画には、生活オリエンテーション、住居確保支援、日本語学習機会の提供、相談・苦情対応など、多岐にわたる項目が含まれます。
自社で対応するか、登録支援機関に委託するか(委託費用は月額2〜3万円程度が相場)の判断も重要です。
➡ 参考:出入国在留管理庁「特定技能制度」
③ 特定活動
【 対象 】
インターンシップ、ワーキングホリデー、EPAに基づく看護師・介護福祉士候補者、卒業後の就職活動など、個別の事情に応じて認められる在留資格
【 要件のポイント 】
• 告示で定められた46種類の類型と、個別に指定される類型がある
• 活動内容が厳格に限定される
【 相談すべきタイミング 】
• 他の在留資格に該当しない特殊なケースでの雇用を検討する段階
• 外国人本人から「特定活動」のビザを持っていると聞いた時点
特定活動は非常に複雑で、専門家でなければ判断が難しい領域です。
➡ 参考:出入国在留管理庁「特定活動」
3. 【2027年6月開始】育成就労制度とは?今から準備すべきこと
従来の「技能実習」制度に代わる新たな制度として、「育成就労制度」が2027年6月に創設されます。
① 育成就労制度の概要
【 目的 】
人材確保と人材育成を通じた国際貢献
【 主な特徴 】
• 原則3年間の就労で「特定技能1号」水準の技能を習得
• 一定の条件下で転籍(他の企業への転職)が可能(従来の技能実習では原則不可)
• 日本語能力が重視され、入国時にA1レベル以上が必要
【 対象分野 】
特定技能と同じ分野を想定(国内での育成になじまない分野は対象外)
【 企業に求められる要件 】
• 育成・就労計画の作成と遂行
• 適正な労働環境の確保
• 監理団体または登録支援機関による支援体制
➡ 参考:出入国在留管理庁「育成就労制度」
② 今から準備すべきこと
2027年6月の制度開始まで約1年半。今のうちに準備を進めることで、スムーズな受入れ態勢を構築できます(2026年2月現在)。
⑴ 現在の技能実習生の取り扱い確認:既に技能実習生を受け入れている場合、新制度への移行措置を理解する
⑵ 育成計画の骨子作成:自社でどのような技能を育成できるか整理
⑶ 監理団体・登録支援機関の選定:信頼できるパートナー探し
⑷ 社内体制の整備:日本語教育の機会提供、メンター制度など
この段階での専門家への相談が、新制度対応の成否を分けます。
4. 南魚沼市・魚沼エリアでの外国人雇用の実情と地域特性
当事務所が拠点を置く新潟県南魚沼市およびその周辺地域(魚沼市、十日町市など)では、近年、外国人雇用が着実に増加しています。
① 地域で需要が高い業種
• 観光・宿泊業:苗場スキー場や石打丸山スキー場などの冬季リゾート施設、温泉旅館
• 農業:稲作(南魚沼産コシヒカリ)、園芸
• 製造業:食品加工、機械部品製造
• 建設業:除雪作業を含む土木・建築
② 地域特有の課題
【 豪雪地帯での生活支援 】
南魚沼市は日本有数の豪雪地帯です。
冬場の除雪、暖房設備の使い方、雪道での運転など、温暖な地域出身の外国人にとっては未知の環境です。
特定技能の支援計画では、こうした地域特性を踏まえた生活支援が求められます。
【 公共交通機関の制約 】
都市部と異なり、バスや電車の本数が限られています。
自動車通勤が前提となるケースも多く、運転免許の取得支援や社用車の貸与など、企業側の配慮が必要です。
【 地域コミュニティとの共生 】
地方では地域の結びつきが強く、外国人労働者が孤立しないよう、地域の祭りやイベントへの参加を促すなど、企業が橋渡し役を担うことが重要です。
【 地域の入管事情 】
南魚沼市は東京出入国在留管理局の管轄ですが、最寄りの出張所は新潟出張所(新潟市)となります。
申請や相談のために新潟市まで行く必要があるため、時間的・金銭的コストがかかります。
地元に精通した行政書士に依頼すれば、新潟出張所への申請代行や、地域の審査傾向を踏まえた書類作成が可能です。
5. 行政書士ができること・できないこと
「行政書士に頼めば何でもやってくれる」と思われがちですが、法律上の権限には明確な線引きがあります。
〈 ✔ 行政書士(申請取次行政書士)ができること 〉
① 書類作成
在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請などの複雑な書類を正確に作成
② 申請代行
本人に代わって出入国在留管理局へ書類を提出(本人の出頭が原則不要に)
③ コンサルティング
どの在留資格が適切か、企業としてどのような準備が必要かのアドバイス
④ 不許可時の対応
不許可理由の確認、再申請の可否判断と戦略立案
⑤ 定期的なサポート
在留期限管理、法改正情報の提供、顧問契約による継続支援
〈 ✖ 行政書士ができないこと 〉
① 確実な許可の保証
最終的な審査・許可権限は出入国在留管理庁にあるため
② 虚偽申請
法令違反であり、行政書士の倫理規定でも厳禁
③ 職業紹介(人材紹介)
職業安定法に基づく許可が別途必要
④ 裁判所での訴訟代理
弁護士法により弁護士の専権事項
⑤ 労務管理全般
社会保険労務士の業務範囲
【 ポイント 】
行政書士は単なる「書類屋」ではなく、入管法という専門法令に基づき、企業の外国人雇用が適法かつスムーズに進むようサポートする「法務のパートナー」です。
6. よくある質問(FAQ)
Q1. 自分で手続きをすれば費用を抑えられますよね?
A. 確かに、申請自体は本人または企業の担当者が行うこともできます。
ただし、一度不許可になると、その記録は入管のデータベースに残り、次回以降の申請が極めて不利になります。
また、不備による再申請で時間を浪費し、採用計画が大幅に遅れるケースもあります。
専門家の報酬(相場は10万円〜30万円程度)を支払っても、結果的に時間とリスクを考えれば「最も安上がり」になることが多いのです。
Q2. 留学生アルバイトをそのまま社員にできますか?
A. 可能ですが、「留学」から「技術・人文知識・国際業務」などへの在留資格変更許可申請が必須です。
留学生は「週28時間以内」のアルバイトしか認められていないため、そのまま正社員として働かせると不法就労になります。
卒業予定の2〜3ヶ月前(1月〜2月)には手続きを開始し、内定時点で学歴と職務内容の関連性を確認しておくことが重要です。
Q3. ビザの更新を忘れてしまったらどうなりますか?
A. 在留期限を過ぎた時点で「不法残留」となり、本人は退去強制、企業は「不法就労助長罪」で罰則を受ける可能性があります。
「知らなかった」「忘れていた」は通用しません。
雇用主には在留カードの確認義務があります。
Q4. 行政書士の報酬はどのくらいですか?
A. 事務所や案件の複雑さにより異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。
• 在留資格認定証明書交付申請:10万円〜15万円
• 在留資格変更許可申請:8万円〜12万円
• 在留期間更新許可申請:5万円〜8万円
• 特定技能の支援計画作成:15万円〜30万円
顧問契約の場合、月額2万円〜5万円程度で、在留期限管理や法改正情報提供、随時相談対応などが含まれます。
Q5. 不許可になった場合、再申請はできますか?
A. 可能ですが、なぜ不許可になったのか、その理由を正確に把握し、改善することが絶対条件です。
単に同じ書類を再提出しても再び不許可になります。
専門家に依頼し、不許可理由開示請求を行い、戦略を立て直すことが重要です。
7. 今後の課題と解決策
外国人雇用は「採用したら終わり」ではありません。
企業の持続的成長のためには、以下の課題への対応が不可欠です。
〈 課題①:法令遵守(コンプライアンス)の徹底 〉
改正入管法により、受入れ企業の管理責任は年々厳格化しています。
違反があれば、以後の受入れが認められなくなる「受入れ停止措置」を受けることもあります。
【 解決策 】
• 定期的な社内研修の実施
• 行政書士との顧問契約による継続的な法務チェック
• 在留期限管理システムの導入
〈 課題②:外国人材の定着支援 〉
せっかく採用しても、職場や生活環境に馴染めず早期離職してしまうケースが少なくありません。
【 解決策 】
• 日本語教育の機会提供(オンライン講座の受講支援など)
• メンター制度の導入(先輩社員によるサポート)
• キャリアパスの明示(昇進・昇給の基準を明確に)
• 生活面のサポート(住居、携帯電話、銀行口座開設など)
〈 課題③:地域社会との共生 〉
特に地方では、外国人労働者が地域で孤立しないよう、企業が橋渡し役を担うことが求められます。
【 解決策 】
• 地域のイベントや祭りへの参加促進
• 自治会や商工会との連携
• 多文化共生に関する地域住民向け啓発活動
〈 課題④:育成就労制度への対応 〉
2027年6月の制度開始に向け、今から準備を進める必要があります。
【 解決策 】
• 育成計画の早期作成
• 監理団体・登録支援機関との連携強化
• 社内の育成体制(OJT、研修プログラム)の整備
これらの課題に対し、行政書士を「外部の外国人雇用管理部門」として活用することで、企業は本業に集中しながら、安心・安全な外国人雇用を実現できます。
8. まとめ:外国人雇用成功のカギは「適切なタイミングでの専門家への相談」
外国人雇用は、人手不足解消や新たな視点の導入など、企業成長の大きなチャンスです。
しかし、複雑化する入管法のもとで、一歩間違えれば企業の社会的信用を大きく損なうリスクも伴います。
「この雇用、本当に大丈夫だろうか?」
「育成就労制度に向けて、何を準備すればいいのだろう?」
「既存の外国人社員の在留期限、きちんと管理できているだろうか?」
少しでも不安を感じたら、雇用契約を結ぶ前に、まずは行政書士などの専門家にご相談ください。
豪雪地帯特有の生活支援のアドバイス、地元の入管事情を踏まえた申請戦略、そして新制度への対応準備まで、地域に根ざした専門家だからこそできるきめ細やかなサービスを提供します。
出典・参考
• 出入国在留管理庁「在留資格一覧表」
• 出入国在留管理庁「技術・人文知識・国際業務」
• 出入国在留管理庁「特定技能制度」
• 出入国在留管理庁:在留資格「特定技能」
• 出入国在留管理庁「特定活動」
• 出入国在留管理庁「育成就労制度」
• 出入国在留管理庁「育成就労制度」
• 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」
• 出入国在留管理庁「在留手続」
• 厚生労働省「外国人の雇用」
• 厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」
• 外務省「在留資格 特定技能」
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