外国人の方を雇用している企業の担当者様、または日本で働く・暮らす外国人の皆様、こんな悩みをお持ちではありませんか。
「出入国在留管理局(入管)に行く時間が取れない」
「手続きが複雑で、何から始めればいいか分からない」
「一度申請して不許可になってしまった」
こうした課題を解決する専門家が「申請取次行政書士(しんせいとりつぎぎょうせいしょし)」です。
一般的な行政書士とどう違うのか、どんなメリットがあるのか、本記事では公的な情報をもとに詳しく解説します。
1. 申請取次行政書士とは何か? 一般の行政書士との決定的な違い
〈 本人出頭が免除される「取次資格」を持つ専門家 〉
申請取次行政書士とは、出入国管理及び難民認定法に基づき、外国人本人に代わって出入国在留管理局へ申請書類を提出できる資格を持った行政書士のことです。
➡ 参考:出入国在留管理庁「申請等取次制度」
在留資格(ビザ)の申請は、原則として外国人本人が自ら入管に出頭して行う必要があります。
しかし、申請取次行政書士が依頼を受けた場合、この本人出頭の原則が免除されるのです。
➡ 参考:出入国在留管理庁「申請等取次者としての承認手続」
〈 すべての行政書士ができるわけではない 〉
日本全国には約5万人の行政書士がいますが、誰でも入管業務の取次ができるわけではありません。
申請取次を行うためには、以下の要件を満たす必要があります。
① 日本行政書士会連合会が実施する「申請取次研修」を受講し、効果測定(試験)に合格すること
② 所属する都道府県行政書士会を通じて、地方出入国在留管理局長へ届出を行うこと
③ 有効期限(3年)ごとに更新研修を受講し、資格を維持すること
この届出が受理されると、「届出済証明書」(通称:ピンクカード)が交付されます。
これが申請取次行政書士の証です。
| 項目 | 一般の行政書士 | 申請取次行政書士 |
| 書類作成 | 可能 | 可能 |
| 入管への書類提出 | 原則、本人同行が必要 | 本人出頭が免除 |
| ピンクカード(届出済証明書) | 持っていない | 持っている |
| 入管での審査官対応 | 限定的 | 追加資料要求等に対応可能 |
2. 「代理」と「取次」の違い|法律上の正しい理解
〈 申請取次行政書士は「代理人」ではない 〉
ここでよくある誤解が、「申請取次行政書士は代理人なのか?」という点です。
結論から言うと、申請取次行政書士が行うのは「取次」であり、厳密には「代理」ではありません。
➡ 参考:出入国在留管理庁「申請等取次者としての承認手続」
【 代理と取次の違い 】
• 代理:本人に代わって意思決定を行う行為(例:弁護士が訴訟代理人として法廷に立つ)
• 取次:本人の代わりに書類を窓口に提出し、手続きを円滑に進める行為
申請取次行政書士は、申請書に本人や代理人の代わりに署名することはできません。
ただし、取次者として記名・職印を押印します。
実務上、依頼者の方からすれば「自分が入管に行かなくて済む」という結果は同じですが、法律上の建て付けは「取次」であることを理解しておくことが重要です。
3. 申請取次行政書士ができること・できないこと
〈 ✔ できること(メリット) 〉
① 本人の入管出頭が不要になる
最大のメリットは、外国人本人が出入国在留管理局へ行く必要がなくなることです。
仕事や学校を休んだり、混雑する窓口で長時間待つ負担がなくなります。
➡ 参考:出入国在留管理庁「申請等取次制度」
② 専門的な書類作成と立証資料の準備
入管の審査は「書面主義」です。
法律の要件を満たしていても、それを証明する書類が不足していれば不許可になるリスクがあります。
申請取次行政書士は、審査基準を熟知し、許可率を高めるための理由書や補強資料を作成します。
③ 審査官とのやり取り・追加資料への対応
審査期間中、入管から追加資料の提出や説明を求められることがあります。
申請取次行政書士は窓口となり、法的根拠に基づいた説明を行います。
④ オンライン申請の代行
現在、一部の在留資格についてはオンライン申請が可能ですが、システムが複雑で個人や中小企業には利用しづらい状況です。
申請取次行政書士がオンライン申請を代行することで、より迅速な手続きを実現できます。
➡ 参考:出入国在留管理庁「弁護士・行政書士の方」
〈 ✖ できないこと(注意点) 〉
① 100%の許可保証
許可を出すのはあくまで法務省(出入国在留管理庁)です。
「絶対に許可します」と断言する業者は注意が必要です。
② 虚偽申請や不法就労の助長
虚偽の書類を作成したり、不法就労を助けたりすることは入管法違反であり、行政書士法でも禁止されています。
③ 不許可後の行政訴訟
万が一不許可になり、国を相手に裁判を起こす場合は弁護士の業務領域となります。
4. 申請取次業務の具体的な流れ|実際の手続きはこう進む
実際に申請取次行政書士に依頼した場合、どのように手続きが進むのかをステップ形式で解説します。
【 ステップ1:初回コンサルティング(ヒアリング) 】
現在の在留状況、今後の活動内容、家族構成、勤務先の状況などを詳しく伺います。
ここで「どの在留資格が最適か」を判断します。
【 ステップ2:必要書類の収集・作成 】
在留資格ごとに必要な書類リストを作成し、ご本人や企業様に準備していただきます。
それに基づき、行政書士が以下の書類を作成します。
• 申請書:正確な記載と整合性が重要
• 理由書:許可を得るための根拠を論理的に説明する最重要書類
• 補強資料:雇用契約書、事業計画書、財務諸表、写真等
理由書は審査を左右する最も重要な書類です。
単なる事実の羅列ではなく、法的要件を満たしていることを明確に立証する必要があります。
【 ステップ3:入管への申請(取次) 】
申請取次行政書士が管轄の出入国在留管理局へ出向き、申請書類を提出します。
ご本人はいつも通り仕事や生活をしていて構いません。
【 ステップ4:審査期間中の対応 】
審査期間は在留資格や申請内容により異なりますが、概ね1~3か月程度です。
この間、入管から追加資料の要求や説明を求められることがありますが、すべて行政書士が対応します。
【 ステップ5:結果受領とアフターフォロー 】
許可が下りると、新しい「在留カード」を行政書士が受領し、依頼者様にお渡しします。
今後の在留期間更新のタイミングや注意点についてもアドバイスします。
5. 南魚沼・周辺地域における入管申請の実情と地域特有の課題
① 管轄は「東京出入国在留管理局 新潟出張所」
南魚沼市、魚沼市、湯沢町、十日町市など、新潟県全域を管轄するのは「東京出入国在留管理局 新潟出張所」(新潟市東区)です。
➡ 参考:出入国在留管理庁「東京出入国在留管理局」
② 地理的なハードルが大きい
南魚沼から新潟市までは、関越自動車道や上越新幹線を利用しても片道1時間半~2時間かかります。
往復で半日、窓口の混雑状況によっては丸一日がかりの移動になることも珍しくありません。
特に以下のような状況では、時間的・経済的な負担が大きくなります。
• 農業や製造業で繁忙期に入管へ行く時間が取れない
• スキーリゾート等の観光業で外国人スタッフの雇用が多い
• 追加資料の提出で何度も入管へ足を運ぶ必要がある
③ 地域の産業特性と在留資格
南魚沼・魚沼地域では、以下の産業で多くの外国人が活躍しています。
• 農業:特定技能「農業」、技能実習「農業」
• 製造業:技能実習「食品製造」「機械・金属」、特定技能「飲食料品製造業」
• 観光業(スキーリゾート、ホテル、飲食):特定技能「宿泊」「飲食料品製造業」、技術・人文知識・国際業務
特に「特定技能」への変更手続きや「技能実習」から「特定技能」への移行は、企業の経営状況や支援体制に関する資料が多く、専門知識が不可欠です。
地元に精通した申請取次行政書士であれば、フットワーク軽く対応でき、急なトラブル時も安心です。
6. よくある質問(Q&A)
Q1. 自分で申請するのと何が一番違いますか?
A. 最大の違いは「安心感」と「時間」です。
ご自身での申請は、書類の不備で何度も入管へ足を運ぶリスクがあります。
また、一度不許可になると、次回の申請が非常に厳しくなります(不許可歴は記録に残ります)。
最初からプロが入ることで、最短ルートでの許可を目指せます。
Q2. 費用はどのくらいかかりますか?
A. 申請内容により異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。
• 在留期間更新:5万円~8万円
• 在留資格変更:8万円~12万円
• 在留資格認定証明書交付申請(呼び寄せ):10万円~15万円
• 難易度の高い案件:15万円~30万円
行政書士は、事前に明確な見積もりを提示いたします。
追加料金が発生する場合も、事前にご説明します。
Q3. 本人が入管に行かなければならないケースはありますか?
A. 基本的にはありませんが、稀に入管から「本人に直接事情を聞きたい」と呼び出しがかかる場合があります。
その際も、行政書士が同行してサポートすることが可能です。
Q4. どのくらいの期間で結果が出ますか?
A. 在留資格や申請内容により異なりますが、一般的な審査期間は以下の通りです。
• 在留期間更新:2週間~1か月
• 在留資格変更:1か月~2か月
• 在留資格認定証明書交付申請:1か月~3か月
繁忙期(3~4月、9~10月)は審査期間が長くなる傾向があります。
Q5. 不許可になった場合、返金されますか?
A. 一般的に、行政書士の報酬は「業務の対価」であり、許可の保証ではありません。
そのため、不許可になっても返金はされないことが多いです。
行政書士は、事前相談で許可の見込みを正直にお伝えし、リスクが高い場合は依頼をお断りすることもあります。
7. 今後の課題と解決策|デジタル化と制度変更への対応
〈 課題1:オンライン申請の普及と利便性向上 〉
現在、出入国在留管理庁では「在留申請オンラインシステム」を導入していますが、利用できる条件が限られていたり、システムが複雑だったりするため、個人や中小企業にはまだハードルが高いのが現状です。
➡ 参考:出入国在留管理庁「弁護士・行政書士の方」
【 解決策 】
申請取次行政書士がオンライン申請を代行することで、さらに迅速な手続きを実現できます。
また、オンライン申請であれば、南魚沼のような遠隔地からでも移動時間ゼロで申請が可能になります。
〈 課題2:制度の頻繁な変更への対応 〉
日本の入管法は頻繁にアップデートされます。最近では、以下のような変更がありました。
• 「育成就労制度」の導入検討(技能実習制度の見直し)
➡ 参考:出入国在留管理庁「育成就労制度」
• 在留資格「特定技能2号」の対象分野拡大
➡ 参考:出入国在留管理庁「特定技能制度」
• 「経営・管理」の許可基準の見直し
➡ 参考:日本行政書士会連合会「会長談話」
【 解決策 】
申請取次行政書士は、常に最新の法改正をキャッチアップしています。
最新の情報に基づいたアドバイスを受けることが、不法就労や不許可リスクの回避に直結します。
〈 課題3:虚偽申請の防止 〉
外国人を雇用する企業が、知識不足により意図せず不法就労助長罪に該当してしまうケースがあります。
【 解決策 】
申請取次行政書士は、適正な雇用関係の確認や在留資格と実際の業務内容の整合性チェックを行い、企業と外国人双方を守ります。
8. まとめ|確実な在留資格取得のために、専門家の力を借りましょう
申請取次行政書士は、単なる手続きの代行者ではありません。
外国人の方が日本で安心して暮らし、企業様が安心して雇用を続けられるよう、法律の側面から支える伴走者です。
こんな方はぜひご相談ください。
• ✅ 書類作成のミスを防ぎたい
• ✅ 仕事が忙しくて入管へ行く時間がない
• ✅ 複雑なケース(過去に不許可になった、家族を呼び寄せたい等)で困っている
• ✅ 南魚沼から新潟市まで何度も往復するのが大変
一人で悩まず、まずは専門家へご相談ください。
行政書士は、地域の産業特性(農業、製造業、観光業)を理解し、お一人おひとりの状況に合わせた最適なプランをご提案します。
あなたの不安を、確かな安心に変えるお手伝いをいたします。
出典・参考
本記事は、以下の公的情報および信頼できる情報源を基に作成しています。
• 出入国在留管理庁「申請等取次制度」
• 出入国在留管理庁「申請等取次者としての承認手続」
• 出入国在留管理庁「弁護士・行政書士の方」
• 出入国在留管理庁「東京出入国在留管理局」
• 出入国在留管理庁「技術・人文知識・国際業務」
• 出入国在留管理庁「特定技能制度」
• 出入国在留管理庁「育成就労制度」
• 日本行政書士会連合会「公式サイト」
• 日本行政書士会連合会「令和8年度申請取次関係研修会の開催について」
• 日本行政書士会連合会「会長談話」
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※本記事は令和8年2月時点に入手可能な公的情報をもとにしています。年度によって制度内容が変更されている可能性があります。必ず最新の法改正情報などでご確認ください。