行政手続きは複雑で、初めてだと「どこに何を頼めば良いかわからない」という人がほとんどです。
ここでは、行政書士への問い合わせから業務完了までを実務ベースで順を追って解説します。
途中で受任を打ち切る可能性があるケースや、依頼前に依頼者に理解してほしい重要点も具体例付きでまとめています。
最後まで読めば「まず何を用意すれば良いか」「いつまでに何が終わるか」「どんな問題で断られる/契約解除になるか」が見通せる構成にしています。
1.はじめに:まずは“無料相談”の範囲を確認
多くの事務所は初回相談を無料としている場合がありますが、「無料でどこまで対応するか」は事務所で異なります。
相談で解決しない具体的な書類作成や調査は有料になることが多いので、最初に「相談料・見積の有無と範囲」を必ず確認しましょう。
報酬は行政書士が自由に定め、事務所に掲示することが原則です。
2.問い合わせ→初回ヒアリング(オンライン可)
問い合わせは電話・メール・問い合わせフォームから。
初回は以下を整理しておくとスムーズです。
• 手続きの目的(例:建設業許可、外国人在留、各種届出など)
• 期日(いつまでに必要か)
• 既に手元にある書類(登記簿謄本、身分証明、契約書など)
• 相談で困っている点(役所対応が不安、時間がない 等)
初回ヒアリングで事務所は対応可否、概算費用、必要書類、想定スケジュールを提示します。
実務上、ここで「業務範囲(何を代行するか)」を明確にすることがその後のトラブル防止になります。
3.見積り・委任契約(着手前の重要ステップ)
見積書と業務委任契約書を交わします。
契約書には業務範囲、報酬額、支払条件、キャンセルポリシー、想定スケジュールを明記するのが一般的です。
書面化することで、後の「費用トラブル」「作業範囲の齟齬」を防げます。
報酬は統計上幅があるため、相見積りを取るのも有効です。
4.受任後の実務フロー(典型的な流れ)
① 情報・書類の受領:依頼者から原本や委任状、本人確認書類を受け取ります。
② 現地調査・事前確認(必要な場合):図面作成・現場確認など。
③ 書類作成:法定様式・添付書類を正確に作成。
④ 役所への提出:オンライン申請を含む。提出日時や受付番号を共有します。
⑤ 補正対応:役所から追加資料や補正要求が来た場合、依頼者に連絡して対応。補正が長引くと完了まで時間を要する点は事前説明が重要。
⑥ 完了報告・書類引渡し:許認可書や受領書を受け取り、正式に業務完了となります。
この間、進捗連絡(メールやチャット)の頻度・方式を契約で決めておくと安心です。
事務所側は職務基本規則などに基づき、依頼者との関係で守るべきルールがあります。
5.受任を打ち切る・受任を断るケース(実例)
行政書士には原則として依頼拒否が制限されていますが、正当な事由がある場合は拒否や解除が可能です。
具体例:
• 依頼内容が違法行為に関与する場合(違法な目的の手続き)
• 依頼者が必要書類を提出せず協力しない場合(長期間の無連絡)
• 報酬未払いが続く場合(契約違反)
• 利益相反が発生した場合(他の依頼者と利害が対立)
• 行政書士側が職務上適正に処理できないと判断した場合
正当な理由で依頼を拒否・解除する際は理由の説明や文書交付が求められる規定がありますので、事務所はその手続きを踏みます。
6.依頼者が事前に理解しておくべきこと(トラブル防止の7点)
① 費用の内訳と支払条件(着手金・成功報酬の有無)
② スケジュールは目安であること(役所の審査状況で変動する)
③ 補正要求が出る可能性とその対処費用
④ 正確な情報提供の重要性(虚偽は大きなリスク)
⑤ 本人確認・委任状など原本提出の必要性
⑥ キャンセルや契約解除の条件
⑦ 個人情報の取扱いと守秘義務(行政書士会の規定による)
7.トラブルを避けるための実務チェックリスト(依頼者向け)
• 見積りの「何が含まれているか」を書面で確認。
• 追加費用が発生する条件を明確にする。
• 実務担当者(事務員か行政書士本人か)を確認。
• 進捗確認の窓口・連絡方法を決める。
• 受領後の保管期間や原本返却方法を確認する。
8.まとめ:頼む前に「見える化」しておくことが成功の鍵
行政手続きは「情報の正確さ」「依頼者の協力」「事務所との契約内容」がそろって初めてスムーズに進みます。
特に補正や審査期間は事務所でもコントロールできない部分があるため、事前の説明と書面化(見積・委任契約)が最も重要です。
料金や受任可否に関するルールは行政書士法や職務規則、各行政書士会の指針に基づいていますので、不明点は契約前に必ず確認してください。
もし「自分のケースでどのくらい時間がかかるか」「必要書類が何か」を具体的に知りたい方は、ぜひお近くの行政書士にお問い合わせください。
行政書士が、あなたの状況に合わせた個別のロードマップ(必要書類・想定スケジュール・見積)をわかりやすく提示します。
出典・参考資料
・ 日本行政書士会:「行政書士とは」行政書士制度の定義・業務内容解説
・ 日本行政書士会:「こんなときにご相談を」行政書士への相談内容の一例
≪南魚沼で行政書士をお探しの方へ≫
当事務所では、各種許認可申請、相続手続きなど、地域に寄り添ったサポートを行っております。
ご相談の内容により、他の専門家(司法書士・税理士など)との連携や、ご紹介をさせていただきます。
まずはお気軽にご相談ください。
当事務所の詳細はホームページをご覧ください。
「にわの行政書士事務所」のホームページ
※本記事は令和7年12月時点に入手可能な公的情報をもとにしています。年度によって制度内容が変更されている可能性があります。必ず最新の法改正情報などでご確認ください。