南魚沼や湯沢町周辺で飲食店・宿泊業を営まれている方にとって、春のスキーシーズンや年度末の繁忙期に留学生スタッフの存在はとても心強いものです。
しかし、「もっとシフトを入れたいのに、何時間まで大丈夫なの?」「春休み中は特別に多く働かせていいって聞いたけれど、正確なルールがわからない」と悩まれている事業主様も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、留学生の長期休暇(春休み・夏休み等)中は、通常の「週28時間以内」という制限が「1日8時間以内・週40時間以内」に緩和されます。
ただし、この特例には「いつからいつまでが春休みか」という判断に重大な落とし穴があります。
本記事では、2026年3月現在の最新ルールをもとに、南魚沼・湯沢エリアの事業主様が安心して留学生を雇用できるよう、制度の基本から手続き・注意点まで徹底解説します。
- 1. 留学生がアルバイトをするには「資格外活動許可」が必要
- 2. 通常期 : 「週28時間ルール」の正確な計算方法
- 3. 春休みの特例 : 「1日8時間・週40時間」に緩和される条件
- 4. 【 最重要 】 「春休み」の定義は学校ごとに異なる
- 5. 南魚沼・湯沢地域で想定される具体的な活用例
- 6. 雇用主が必ず守るべき3つの実務チェックポイント
- 7. 違反した場合の法的リスク : 「不法就労助長罪」
- 8. よくある質問(FAQ)
- 9. 行政書士に 「できること」 ・ 「できないこと」
- 10. 今後の課題と解決策 : 南魚沼・湯沢地域特有の問題
- 11. 「もしかして…」と感じたら、まずは行政書士などの専門家にご相談ください
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1. 留学生がアルバイトをするには「資格外活動許可」が必要
在留資格「留学」で日本に滞在する外国人は、原則として就労(アルバイトを含む)が認められていません。
日本での活動目的はあくまで「学業」であるためです。
アルバイトをするためには、事前に出入国在留管理庁(入管)から「資格外活動許可」を取得する必要があります。
この許可を受けずに働かせた場合、留学生本人だけでなく、雇用主も法的責任を問われる可能性があります。
〈 許可の種類 : 包括許可と個別許可 〉
資格外活動許可には「包括許可」と「個別許可」の2種類があります。
【 包括許可 】
飲食店のホールスタッフ、コンビニのレジ業務、スーパーのアルバイトなど、社会通念上学生が通常行っているアルバイトが対象です。
週28時間以内(長期休暇中は1日8時間以内・週40時間以内)が条件となります。
【 個別許可 】
特定の勤務先・業務内容を個別に指定して許可を受ける方式です。
インターンシップなど特殊な活動に必要となります。
飲食店や宿泊業でのアルバイトは一般的に「包括許可」の対象になります。
〈 在留カードで確認する方法 〉
採用前に必ず在留カードの裏面を確認してください。
「資格外活動許可欄」に「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」というスタンプ(または記載)があれば、アルバイトが可能です。
この記載がない場合は、1分も働かせることができません。
在留カードのコピーを取って保管しておくことで、万一の立入調査時に「確認していた」という証拠になります。
➡ 参考:出入国在留管理庁「「留学」の在留資格に係る資格外活動許可について」
2. 通常期 : 「週28時間ルール」の正確な計算方法
留学生が働ける時間は、原則として「1週間につき28時間以内」と法律で定められています(出入国管理及び難民認定法施行規則第19条第5項)。
では、この「1週間」とはどの7日間のことを指すのでしょうか。
ここに多くの雇用主が見落としがちな落とし穴があります。
〈 「月〜日曜」の週計算では不十分 〉
【 重要 】 : 「どの連続する7日間を切り取っても」28時間を超えてはいけません。
月曜始まり・日曜終わりの固定した週で考えるのではなく、任意の連続する7日間すべてにおいて28時間以内でなければなりません。
例えば、日曜日に12時間・月曜日に10時間・火曜日に8時間働かせると、日〜土の週では合計30時間になります。
「月〜日曜の週では28時間以内だった」としても、「日曜〜土曜の7日間」では30時間となり違反です。
週の区切り方によらず、どの7日間で切り取ってもオーバーしてはいけません。
〈 ダブルワーク(掛け持ち)の注意点 〉
複数の店舗でアルバイトをしている場合、すべての勤務先の合計時間が28時間以内でなければなりません。
「うちでは週20時間しか入れていない」という話では許されません。
他店での勤務時間も含めた合計が基準です。
3. 春休みの特例 : 「1日8時間・週40時間」に緩和される条件
大学・専門学校等の「長期休業期間」中に限り、就労時間の上限が「1日8時間以内・週40時間以内」に緩和されます(出入国管理及び難民認定法施行規則第19条第5項に基づく包括許可の条件より)。
これにより、繁忙期のシフトを大幅に厚くすることが可能になります。
| 期間 | 1日の上限 | 週の上限 |
| 通常の授業期間 | 規定なし(週28時間で管理) | 28時間以内 |
| 長期休業期間(春休み・夏休み等) | 8時間以内 | 40時間以内 |
この特例は非常に便利ですが、最も注意すべきは「いつから春休みか」の判断です。
次のセクションで詳しく解説します。
4. 【 最重要 】 「春休み」の定義は学校ごとに異なる
「世間一般が春休みだから」という理由は、法律上まったく通用しません。
特例が適用される「長期休業期間」とは、その留学生が在籍する学校の学則(アカデミックカレンダー)で定められた期間のみが対象です。
〈 具体的な判断基準 〉
OK(特例適用): 大学の学則で「3月1日〜3月31日が春季休業」と定められており、その期間内であれば週40時間まで可。
NG(特例不適用): 留学生本人が「今日は授業がないから」「試験が終わったから」と言っても、学則上の休暇期間でなければ通常の週28時間制限が適用されます。
注意が必要なケース
学校によっては春休みが2月下旬から始まる場合も、4月上旬まで続く場合もあります。
「3月はみんな春休みでしょ」という思い込みは非常に危険です。
〈 雇用主に求められる確認義務 〉
特例を適用するにあたって、雇用主は「その留学生が通う学校の学事暦(アカデミックカレンダー)のコピー」を必ず提出してもらい、当該期間が確実に「長期休業期間」に含まれていることを書類で確認・保管する必要があります。
口頭確認だけでは、万一のときに「確認していた」という証拠になりません。
〈 「学校が始まった瞬間」から週28時間に戻る 〉
長期休業期間が終了した翌日から、週28時間のルールに即座に戻ります。
「今週はまだ春休みっぽい」という感覚的な管理は許されません。
学事暦に記載された最終日の翌日から厳格に28時間ルールに切り替えてください。
5. 南魚沼・湯沢地域で想定される具体的な活用例
【 想定例 ① 】 国際大学(IUJ)の留学生をスキーリゾートのレストランで雇用する場合
南魚沼市に位置する国際大学(IUJ)では、独自のアカデミックカレンダーが設定されています。
(※以下は想定例です。実際の学事暦は必ず当該大学に確認してください。)
仮にIUJのアカデミックカレンダーで「2月下旬〜3月下旬」が春季休業と定められている場合、スキーシーズン最盛期の週末に「1日8時間×5日=週40時間」のシフトを合法的に組むことができます。
ただし、4月に授業が再開するなら、その日から即座に週28時間以内への切り替えが必要です。
雇用前にIUJの学事暦コピーを提出してもらい、担当者が保管しておくことが不可欠です。
➡ 参考:「国際大学(IUJ)公式サイト」
【 想定例 ② 】 日本語学校の留学生を湯沢町の旅館で雇用する場合
日本語学校は大学よりも授業カレンダーが学校ごとに細かく設定されている場合があります。
日本語学校によっては「春休み」が非常に短く、1〜2週間程度のことも珍しくありません。
「○月○日〜○月○日」という具体的な期間を学校側から書面で取得し、その書面を保管しておくことが、万一の立入調査時に適法性を証明する唯一の根拠になります。
※上記はいずれも想定例です。各学校の実際の学事暦は学校に直接確認するか、学生に提出してもらってください。
6. 雇用主が必ず守るべき3つの実務チェックポイント
① 在留カード裏面の確認(採用前に必須)
採用の前に、必ず在留カードの裏面にある「資格外活動許可欄」を確認してください。
「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」の記載がなければ、その人を1分も働かせることはできません。在留カードの有効期限(在留期間)も同時に確認し、雇用期間中に切れないかどうかチェックすることも重要です。
• 在留カードの表面:在留資格「留学」・在留期間・氏名・生年月日を確認
• 在留カードの裏面:資格外活動許可のスタンプまたは記載を確認
• コピーを取って保管(在留カード番号の記録にも必要)
② ハローワークへの外国人雇用状況届出(雇入れ・離職時に必須)
外国人を雇用または離職させた際は、ハローワーク(公共職業安定所)への「外国人雇用状況届出」が義務です(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第28条)。
届出を怠ったり虚偽の届出をした場合、30万円以下の罰金の対象となります。
• 雇用保険に加入する場合:「雇用保険被保険者資格取得届」の提出で兼ねられる(翌月10日まで)
• 雇用保険に加入しない場合:「外国人雇用状況届出書(様式第3号)」を別途ハローワークに提出(翌月末まで)
➡ 参考 : 厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」
③ 長期休暇前後の「切り替え管理」を徹底する
「春休みに入ったから週40時間OK」「春休みが終わってもしばらくは大丈夫だろう」という曖昧な管理は絶対にNGです。
具体的には以下の3点を実践してください。
• 学事暦のコピーを事務室や休憩室に掲示し、全スタッフが把握できる状態にする
• 長期休暇終了日の翌日から即座に週28時間ルールへ切り替える日付をカレンダーに記録する
• 勤怠管理ソフトやシフト管理表で「週累計時間」を随時確認できる仕組みを作る
7. 違反した場合の法的リスク : 「不法就労助長罪」
「知らなかった」では済まされないのが入管法(出入国管理及び難民認定法)の厳しさです。
制限時間を超えて留学生を働かせた場合、留学生本人だけでなく、雇用主(経営者・店長)も刑事罰の対象になります。
| 対象者 | 罰則内容 |
| 雇用主(経営者・店長等) | 3年以下の懲役または300万円以下の罰金(またはその両方) |
| 留学生本人 | 在留資格の更新不許可・強制退去(退去強制)の可能性大 |
〈 雇用主への二次的影響 〉
「不法就労助長罪」の前歴はその後の外国人雇用審査に影響する可能性があるほか、優秀なスタッフが強制退去となることで採用・教育コストが無駄になり、地域内での信用失墜につながるリスクもあります。
➡ 参考: e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」第73条の2(不法就労助長罪)
8. よくある質問(FAQ)
Q1:留学生が「自分は今週10時間しか働いていない」と言っています。信じて大丈夫ですか?
A1:口頭の自己申告だけを信頼するのは危険です。
他店でのダブルワークが発覚した場合、貴店の雇用主責任も問われます。
採用時に「他のアルバイト先の勤務時間を書面で申告させる」制度を設けるか、余裕を持ったシフト設定(例:週20時間程度)を心がけることが安全策です。
Q2:春休み中に「週45時間」働いてもらいたい。残業代を払えばOKですか?
A2:絶対にNGです。
長期休暇中の上限は「週40時間以内」であり、入管法の上限は労働基準法の残業規定とは別に存在します。
残業代を払っても、入管法違反は解消されません。
Q3:風俗営業の許可を持つ店舗でも、留学生を雇えますか?
A3:雇用できません。
「資格外活動許可」の条件として、「風俗営業等が営まれている営業所での就労は禁止」されています。
パチンコ店、キャバクラ、スナック、ゲームセンターなども「風俗営業」に含まれます。
「清掃だけ」「調理だけ」という業務内容でも、その施設自体が風俗営業許可を持っていれば働かせることはできません。
Q4:留学生が在留カードを「まだ手続き中」と言っています。その間は働かせていいですか?
A4:許可が確認できるまでは絶対に働かせてはいけません。
在留カードに「資格外活動許可」の記載が確認できて初めて就労可能です。
「申請中」の段階では未取得と同じです。
Q5:留学生が卒業後も引き続き正社員として採用したい。どのような手続きが必要ですか?
A5:卒業後は「留学」という在留資格が失効するため、「技術・人文知識・国際業務」などの就労系在留資格への変更手続きが必要になります。
変更申請は出入国在留管理庁に行いますが、専攻と業務内容の関連性など審査が複雑なため、行政書士など専門家への相談をおすすめします。
9. 行政書士に 「できること」 ・ 「できないこと」
「外国人を雇いたいが手続きが難しい」「留学生が卒業後も雇い続けたい」といった場面で、行政書士はどのようなサポートができるのでしょうか。
〈 ✔ 行政書士ができること 〉
① 資格外活動許可申請の代行
留学生に代わって申請書類を作成・提出します(入管法第19条申請)。
② 在留資格の変更申請
卒業後に「技術・人文知識・国際業務」等の就労ビザへ変更する際の申請代行を行います。
③ 在留期間更新申請
在留カードの有効期限が切れる前に更新手続きを代行します。
④ 雇用コンプライアンス診断
現在のシフト管理・在留カード確認体制が法的に問題ないか点検し、改善案を提示します。
⑤ 外国人雇用に関する顧問業務
法改正対応や突発的なトラブル(オーバーワーク発覚時など)の相談対応を行います。
※ 入管に対して各種申請書の提出は申請取次行政書士が行います。
➡ 申請取次行政書士については「こちらの記事もおすすめ」
〈 ✖ 行政書士ができないこと 〉
① 有料の人材紹介・職業紹介
「留学生を探してほしい」という依頼は、有料職業紹介の免許がない限り対応できません。
② 法令違反の隠蔽・事後処理
「すでにオーバーワークさせてしまった。何とかしてほしい」という違法行為の事後工作には一切応じることができません。
③ 労使間の紛争解決
賃金未払い等の労働紛争解決は弁護士の業務領域です。
④ ハローワークに提出する書類の作成と提出代行
外国人雇用状況届出書の作成・提出代行は社会保険労務士の業務領域です。
行政書士は記載内容の一般的なアドバイスや確認を行います。
10. 今後の課題と解決策 : 南魚沼・湯沢地域特有の問題
課題 ① 生産年齢人口の減少と観光需要の季節変動
南魚沼・湯沢エリアは、冬のスキーシーズンから春の雪解けシーズンにかけて観光需要が急増する一方、生産年齢人口の減少が年々深刻になっています。
留学生の活用は即戦力として非常に有効ですが、「法律を守りながらどれだけシフトを厚くできるか」が事業継続の鍵を握ります。
課題 ② 複数学校・複数国籍の留学生管理の複雑さ
国際大学(IUJ)の留学生と地元専門学校の留学生が混在する場合、それぞれの学事暦が異なります。
一律に「3月は春休みだから週40時間」と管理すると、春休みではない学校の留学生がオーバーワークになるリスクがあります。
〈 解決策 〉
【 学事暦の個別管理 】
留学生ごとに学校名と休暇期間を一覧表(スプレッドシート等)で管理し、シフト作成者が毎月確認できる仕組みを作る。
【 勤怠管理ツールの活用 】
週累計時間が28時間(または40時間)に近づいた際にアラートが出る勤怠管理システムを導入する。
【 行政書士による定期チェック 】
年に1〜2回、書類管理やシフト運用の適法性を専門家が確認する「外国人雇用コンプライアンス定期診断」を活用する。
【 採用前の雇用条件の明文化 】
入社時に「アルバイト就労誓約書(学事暦・他店勤務時間の申告義務・週上限確認)」を取り交わすことで、双方の認識を合わせる。
2026年以降の法改正の動向にも注意が必要です。
出入国在留管理庁では外国人受け入れ制度の見直しが継続的に行われており、在留資格要件や上限時間の変更が生じる可能性もあります。
最新情報は以下の公式サイトで随時確認してください。
➡ 「出入国在留管理庁 公式サイト」
11. 「もしかして…」と感じたら、まずは行政書士などの専門家にご相談ください
「今のシフト管理で問題ないか不安」
「春休みが終わりそうだけど切り替えを忘れていた」
「卒業した留学生をそのまま正社員にしたい」
そんな些細なご不安でも、ぜひ一度専門家にご相談ください。
留学生の雇用は、適切に管理すれば人手不足を解消する大きな戦力になります。
しかし、「知らなかった」という一言で事業継続を脅かすリスクにもなりかねません。
行政書士は、在留カードの確認方法から資格外活動許可申請の代行、卒業後の就労ビザ変更まで、ワンストップで対応いたします。
貴店の安定した経営と、留学生の充実した日本生活を、専門家として全力でサポートいたします。
出典・参考
• 出入国在留管理庁「「留学」の在留資格に係る資格外活動許可について」
• 出入国在留管理庁「資格外活動の許可(入管法第19条)」
• 「出入国在留管理庁 公式サイト」
• 厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」
• e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」
• e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法施行規則」
• 「国際大学(IUJ)公式サイト」
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