近年、「環境問題」や「持続可能な社会」という言葉を耳にする機会が増えています。
しかし、環境保全というと国レベルの大きな政策を想像し、自分たちの生活とは距離があるものと感じる方も多いのではないでしょうか。
実際には、環境保全は私たちの身近な生活と深く結びついています。
家庭ごみの分別、事業活動で発生する廃棄物の処理、不法投棄の防止など、地域レベルでの取り組みの積み重ねが、将来の環境を守ることにつながります。
本記事では、新潟県南魚沼地域を例に、地域の廃棄物問題や環境保全の取り組みを整理しながら、行政書士がどのように環境保全支援に関わることができるのかを、専門知識のない方にも分かりやすく解説します。
1.環境保全支援とは何か【基礎知識】
環境保全支援とは、自然環境や生活環境を守り、将来世代に持続可能な地域社会を引き継ぐための取り組みを総称した言葉です。
日本では、環境対策の基本として廃棄物の適正処理と資源循環の促進が重視されています。
【 日本の廃棄物行政の基本 】
廃棄物対策の根拠となる代表的な法律が、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)です。
この法律は、廃棄物の排出抑制や適正処理を通じて、生活環境の保全と公衆衛生の向上を目的としています。
また、循環型社会の形成を目指すため、循環型社会形成推進基本法により、リデュース(発生抑制)・リユース(再使用)・リサイクル(再生利用)の考え方が示されています。
2.廃棄物問題から考える地域環境の現状
① 家庭ごみと事業系ごみの違い
廃棄物は大きく家庭ごみと事業系廃棄物に分けられます。
家庭ごみは市町村が収集・処理を行いますが、事業活動から発生する廃棄物は、事業者が自らの責任で適正に処理する義務があります。
特に、事業系廃棄物のうち一定のものは産業廃棄物に該当し、許可を受けた処理業者への委託が必要となります。
② 地方都市が抱える廃棄物問題
人口減少や高齢化が進む地方では、廃棄物処理施設の維持管理や収集体制の効率化が大きな課題となっています。
さらに、分別ルールが十分に理解されないまま排出されるごみや、不法投棄といった問題も見られます。
③ 南魚沼地域ならではの課題
南魚沼市は、農業と観光業が地域経済を支える雪国です。
そのため、
• 農業用ビニールや資材の処理
• 観光シーズンに増加する事業系ごみ
• 豪雪地域特有の生活環境
といった、地域特有の廃棄物問題を抱えています。
3.南魚沼市における環境保全・廃棄物対策の取り組み
南魚沼市では、環境衛生センターを中心に、家庭ごみ・事業系ごみの分別回収や適正処理を行っています。
また、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の推進を通じて、廃棄物の排出抑制と資源循環型社会の実現を目指しています。
不法投棄防止のための啓発活動や、住民参加型の清掃活動も行われており、地域全体で環境を守る意識づくりが進められています。
4.環境保全分野で行政書士ができる支援
行政書士は、環境保全や廃棄物処理に関する法令手続きを専門とする国家資格者です。
具体的には、以下のような支援を行うことができます。
【 行政書士ができる主な支援内容 】
• 産業廃棄物処理に関する許可申請書類の作成支援
• 廃棄物処理計画書・各種届出書類の作成
• 行政窓口との事前相談や手続き整理
• 事業者と自治体をつなぐ調整役
これらの支援により、事業者や地域団体が法令違反を防ぎ、円滑に環境保全活動を進めることが可能になります。
5.行政書士ができないこと【重要】
環境保全分野では、行政書士ができることと同時に、できないことを正しく理解することが重要です。
① 許可・不許可の判断はできない
産業廃棄物処理業の許可など、最終的な判断権限は行政機関にあります。
行政書士は申請書類の作成や要件整理は行えますが、許可そのものを決定することはできません。
② 行政処分や法的争いの代理はできない
行政処分に対する不服申立ては特定行政書士と弁護士、法的紛争については、弁護士の業務範囲となります。
特定行政書士以外の行政書士は事実関係の整理や書面作成の補助にとどまります。
③ 技術的な環境調査・測定は行えない
土壌汚染や水質調査などの専門的な測定・分析は、環境コンサルタントや専門機関の業務です。
④ 条例や法令運用を変更することはできない
行政書士は制度の説明や活用支援はできますが、条例や法律の運用を独自に変更する権限はありません。
⑤ 廃棄物処理作業そのものは行えない
ごみの収集・運搬・処理は、許可を受けた事業者や自治体が行います。
6.南魚沼市特化|よくある質問(Q&A)
Q1.南魚沼市で事業を始めた場合、事業ごみはどう処理しますか?
A.事業活動から出るごみは家庭ごみとしては出せません。
市の指定ルールに従うか、許可業者へ委託する必要があります。
Q2.農業用ビニールや資材はどう扱われますか?
A.内容によって一般廃棄物または産業廃棄物に区分されます。
判断に迷う場合は、専門家への相談が有効です。
Q3.不法投棄を見つけたらどうすればいいですか?
A.南魚沼市の環境担当窓口へ連絡してください。
勝手に処分せず、行政の指示を仰ぐことが重要です。
Q4.小規模事業でも届出は必要ですか?
A.規模に関係なく、内容によっては届出が必要な場合があります。
Q5.環境問題について行政書士に相談するメリットは?
A.必要な手続きを整理し、行政とのやり取りを円滑に進められる点が大きなメリットです。
7.まとめ:今後の課題と持続可能な地域社会づくり
人口減少が進む中で、廃棄物処理の効率化や住民意識の向上は重要な課題です。
行政・事業者・住民が連携し、地域全体で環境保全に取り組むことが、持続可能な社会づくりにつながります。
環境保全や廃棄物問題は、制度や手続きが複雑で分かりにくい分野です。
行政書士は、地域の実情を踏まえた手続き支援を行う身近な専門家として、皆さまをサポートします。
南魚沼市で環境保全や廃棄物処理に関するお悩みがありましたら、まずはお近くの行政書士までお気軽にご相談ください。
出典・参考
• 環境省「廃棄物・リサイクル対策」
• 環境省「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」
• 南魚沼市「一般廃棄物処理基本計画」:ごみ処理方針
• 南魚沼市「家庭ごみ分別辞典」:ごみ分別案内
• 南魚沼市「一般廃棄物処理業許可業者」:収集・処理業者一覧
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※本記事は令和8年1月時点に入手可能な公的情報をもとにしています。年度によって制度内容が変更されている可能性があります。必ず最新の法改正情報などでご確認ください。