宿泊ビジネスを考える際、「簡易宿泊所」という言葉を耳にします。
でも実際にどんな施設で、法律的に何が必要なのか?民泊との違いは何か?と疑問を感じている方も多いはずです。この記事ではわかりやすく整理し、手続きのポイントや注意点まで解説します。
1.「簡易宿泊所(簡易宿所)」って何?
〈簡易宿泊所(簡易宿所)とは〉
旅館業法における宿泊施設の一形態で、宿泊料を受けて人を宿泊させる営業のうち、宿泊する場所や設備を多数人で共用する構造・設備を主とする施設を指します。
ホテルや旅館と異なり、比較的簡易な設備で運営できる宿泊施設です。
• 旅館・ホテル営業、簡易宿所営業、下宿営業の3種類の1つ(旅館業法)
つまり、ベッドや寝具を提供し、宿泊料を受け取る営業であれば簡易宿泊所として扱われる可能性があります。
なお、「簡易宿泊所」=「宿泊施設の名称」ではなく、「旅館業法の営業区分」の一つです。
2.簡易宿泊所と民泊(住宅宿泊事業)の違い
宿泊施設を始める方法として、簡易宿泊所と民泊がありますが、両者には明確な違いがあります。
〈簡易宿泊所(旅館業法)〉
• 法律:旅館業法に基づく許可制(保健所で申請)
• 営業制限:年間の営業日数の制限なし(通年営業OK)
• 設備基準:旅館業法施行令に基づく構造・設備基準あり(衛生・防災など)
• 代表例:ゲストハウス、カプセルホテル、相部屋形式の宿 など
〈民泊(住宅宿泊事業法)〉
• 法律:住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)に基づく届出制
• 営業制限:年間180日まで(自治体により上乗せ規制あり)
• 設備基準:住宅を活用するため比較的緩やか
• 代表例:Airbnbなどで提供する戸建住宅・マンションの短期貸し
年間を通じて安定的に宿泊事業を営みたい場合は「簡易宿泊所」許可が一般的です。
対して、住宅活用や副業的に運営したい場合は民泊届出が選ばれます。
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3.簡易宿泊所の許可取得の流れ(基本ステップ)
簡易宿泊所として営業するには、旅館業法に基づく許可申請が必要です。
※許可申請は、営業する所在地の保健所(都道府県・市区)に行います。
〈STEP1|事前相談・計画準備〉
まずは保健所等との事前相談が最重要です。
構造・設備・消防・建築の基準が厳しく問われるため、設計段階から確認を進めましょう。
〈STEP2|必要な基準の確認〉
旅館業法施行令や自治体条例に定められた基準を満たす必要があります(客室面積、換気、採光、衛生設備など)。
また、消防法令適合通知書の取得など、複数の関係法規への対応も要ります。
〈STEP3|申請書類の提出〉
必要書類は一般的に以下のようなものです。
• 旅館業許可申請書
• 施設平面図・配置図
• 近隣施設等の位置図
• 消防法令適合通知書 等
※自治体によって追加提出資料があるため事前確認をおすすめします。
〈STEP4|現地調査 → 許可〉
保健所による現地調査を経て、基準適合が確認されれば許可交付となります。
4.許可申請でよくある注意点
簡易宿泊所の申請では意外とみ落としやすい点があります。
① 消防法・建築基準法との関係
消防用設備や避難経路などの条件が厳しく、適合通知書が申請前に必要なケースがほとんどです。
また建築用途変更が必要な場合は、建築確認申請が要る場合もあります。
② 自治体条例の追加基準
各自治体ごとに衛生基準や設備規則が異なり、同じ条件でも地域によって要件が変わる場合があります。
必ず保健所窓口へ確認しましょう。
5.行政書士に「できること・できないこと」
簡易宿泊所の許可申請において、行政書士が支援できる内容は次の通りです。
〈行政書士にできること(支援例)〉
✔ 申請書類の作成・チェック
✔ 必要資料(配置図・平面図等)の整理支援
✔ 行政窓口との事前相談・調整サポート
✔ 許可後の届出・更新手続きの支援
※営業計画の構成や書類作成を代行できます。
〈行政書士にできないこと〉
✖ 建物の設計・施工自体の代行
✖ 消防設備の設置・点検(専門業者が必要)
✖ 保健所が定める基準そのものの「変更」や「判断」自体の代理
行政書士は申請手続きのプロフェッショナルとして、事業スタートまでの道筋をつくるサポーターです。
6.南魚沼での簡易宿泊所・民泊のポイント(事例)
南魚沼地域は観光需要・冬季旅行客も多く、宿泊事業のニーズが高まっています。
例えば、空き家を活用した簡易宿泊所の事業化や、季節限定で民泊と旅館業許可を組み合わせた運営などが地域で相談されています(※具体的事例については個別相談が必要です)。
地域条例や消防の基準も自治体で異なる可能性が高いため、事前確認は必須です。
7.よくある質問(FAQ)
Q1.簡易宿泊所とゲストハウスは同じですか?
A.法律上は「簡易宿泊所」の区分であり、ゲストハウスも多くは簡易宿泊所許可が必要です。
Q2.民泊の届出だけでは通年営業できますか?
A.原則として年間180日以内です。通年営業のためには旅館業の許可(簡易宿泊所等)が必要です。
Q3.許可がおりるまでどれくらいかかりますか?
A.地域差はありますが、申請から通常約1〜2ヶ月程度が目安とされています。ただし消防・建築対応が長引くケースあり。
8.まとめ:簡易宿泊所は計画と準備が成功の鍵
簡易宿泊所として宿泊事業をスタートするには、民泊とは異なる許可制度(旅館業法)に基づく対応が必要です。
設備・消防・衛生など複数の法律・基準をクリアする必要があり、事前相談および計画的な準備が重要です。
「どこから手をつければよいかわからない」「自治体対応が不安」という方は、ぜひ行政書士にご相談ください。
行政書士は、簡易宿泊所の許可取得をサポートいたします。
出典・参考
• 厚生労働省:「旅館業法の概要」
• 厚生労働省:「民泊サービスと旅館業法に関するQ&A」
• 新潟県:「住宅宿泊事業法のページ」
• 南魚沼市:「南魚沼市観光戦略の策定」
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※本記事は令和8年1月時点に入手可能な公的情報をもとにしています。年度によって制度内容が変更されている可能性があります。必ず最新の法改正情報などでご確認ください。