全国で増え続ける空き家は、近隣トラブルや防災リスク、固定資産税や相続問題など、所有者にも地域にも大きな負担を与えます。
最近の法改正や自治体施策の強化を踏まえ、行政書士として現場で対応できること・できないこと、手続きの流れを具体的に整理しました。
まずは「自分の空き家がどの分類に入るのか(=放置して問題になる可能性があるのか)」を確認することが第一歩です。
1.空き家の現状と、知っておくべき制度
• 日本全体で空き家数・空き家率は上昇傾向にあり、放置された“特定空家”は自治体から勧告・命令や税の特例解除(住宅用地の軽減が外れる)を受けることがあります。
放置が続くと最悪は行政代執行で除却(解体)され、その費用が所有者負担となる可能性があります。
• 近年(2023年の改正等)、解体促進や利活用支援、管理不全段階での対応といった対策が強化されています。
自治体ごとの「空家等対策計画」に基づき具体的支援や助成が設けられるため、まずは市町村の計画・制度を確認する必要があります。
2.なぜ対策が必要か? — 空き家を放置すると被る“具体的な不利益”
• 近隣トラブル:害獣発生、雑草・倒木、外観悪化による近隣からの苦情。
• 法的行政処分:自治体の勧告→命令→最終的に行政代執行で除却。費用は所有者負担。
• 税制面の不利益:特定空家に認定されると住宅用地の固定資産税軽減が外れる可能性。
• 資産価値の低下・相続トラブル:相続人間での処理未定や管理放置は、売却や利活用を難しくします。
つまり、「早めの確認・相談・計画」が最も費用と手間を軽くする近道です。
3.行政書士に依頼すると“ここまで”できる(行政書士が担う空き家の“具体的業務”)
行政書士が空き家対策としてできる代表的な業務を紹介します。
① 相談・調査フェーズ
• 空き家の現状整理(契約関係・登記情報の確認、固定資産税情報の把握)と、自治体の「空家等対策計画」や支援制度の照合。
• 所有者・相続関係の整理(どのように名義が移るか、相続手続きの必要性)— 戸籍収集や相続関係説明図作成の代行が可能。
② 手続き・書類作成フェーズ
• 自治体への対応書類作成:助言・指導・勧告に対応するための改善計画書、報告書などの作成支援。
• 補助金・助成金申請支援:解体補助、利活用支援、改修助成など自治体制度の申請書作成と提出代行(※自治体により可否・要件が異なる)。
• 利活用のための契約書作成:賃貸借契約、定期借家契約や賃料設定に関する基本書類の作成(不動産登記は司法書士、仲介は宅建業者と連携)。
• 相続・遺産分割関係書類:遺産分割協議書、委任状、相続放棄関連書類などの作成支援。これにより相続段階での“放置”を防ぎます。
③ 利活用・再生フェーズ(調整業務)
• 空き家バンク登録支援、利活用プラン(駐車場転用、民泊・長期賃貸・リノベーション案)を行政や業者と協議し、事業化に必要な書類を作成・調整。
• 解体・リフォーム業者、遺品整理業者、土地家屋調査士、司法書士、宅建業者と連携してワンストップで推進。
4.行政書士ができないこと
• 不動産登記の代理:登記は司法書士の業務です(名義変更・抵当権抹消等)。
• 裁判所での代理(訴訟代理):訴訟や調停の代理は弁護士の業務範囲です。
• 宅地建物取引業(仲介)の独立した媒介:宅地建物取引業の免許がない場合は媒介はできません(仲介業者と連携)。
• 医療・税務・司法的判断:相続税の詳細な計算や医療判断などは税理士等専門家の協力が必要。
行政書士は「書類作成」「行政手続き」「関係者調整」で強みを発揮しますが、登記や法廷での代理は各専門家と協動する形で進めるのが実務上の正しい進め方です。
5.代表的な空き家対策の種類と、具体的な手順
A. 管理して維持する(短期〜中期)
• 草刈り・定期巡回・簡易補修の手配(業者手配+委任契約)
• 管理委任契約書の作成、契約内容(報告頻度・作業範囲・費用)を明示。
• 行政から助言等があった場合の対応文書作成。
行政書士が行うこと:管理委任契約書作成・業者との契約書レビュー・行政とのやり取り代行。
B. 売却で現金化する(短〜中期)
• 相続関係が明確でない場合は戸籍収集や遺産分割書の作成から開始。
• 売却に向けたリフォーム提案、必要書類(建物図面・固定資産税評価)整備。
行政書士が行うこと:相続書類作成・売却に必要な行政書類調整(登記は司法書士と連携)。
C. 解体・跡地活用(中〜長期)
• 解体助成の有無確認、助成申請書作成、解体契約書作成。
• 固定資産税軽減が外れるリスクを踏まえた費用試算の提示。
行政書士が行うこと:助成申請支援・解体契約チェック・関係者調整。
D. 利活用(改修・賃貸・民泊等)
• 空き家バンクへの登録・賃貸借契約作成・利活用プランの作成支援。
行政書士が行うこと:バンク登録支援、契約書類作成、行政手続きの代行(届出等は自治体により要確認)。
6.実例フロー(相談→完了まで)
① 初回相談(現地状況・権利関係のヒアリング)
② 必要書類・戸籍等の収集(代行可)
③ 自治体制度(補助・助成・税制上の影響)を確認・提案。
④ 管理契約・売却準備・利活用プラン作成のいずれかを実行(業者手配含む)
⑤ 必要な申請書類の作成・提出(補助金・解体許可・利活用届等)
⑥ 引渡し・登記(司法書士)または長期管理体制に移行
7.よくあるQ&A
Q. 「自治体から勧告が来た。すぐやるべきことは?」
A. まずは勧告書の指示内容を確認し、改善計画(いつまでに何をするか)を行政に提出する意思表示をしましょう。
行政書士はその計画書や報告書の作成を支援できます。
Q. 「補助金はどのくらい期待できますか?」
A. 補助金の種類・額は自治体ごとに異なります(解体助成、利活用補助など)。
自治体の「空家等対策計画」や最新の募集要項で確認が必要です。
8.行政書士に相談するときのチェックリスト(依頼前に準備するとスムーズ)
• 所有権のわかる書類(登記簿謄本)
• 相続関係が疑われる場合は戸籍(被相続人の出生〜死亡まで)
• 固定資産税納税通知書(あれば)
• 自治体からの通知書(勧告・指導などがある場合)
上記を用意しておくと、初回相談がスムーズに進みます。
9.最後に
空き家は「放置すれば負担が増える」一方で、「早めに正しい手続きを踏めば資産に戻せる」ケースが多くあります。
自治体ごとの補助・制度は変わりますので、まずはお気軽に行政書士へご相談ください。
現地調査・書類確認のうえ、最短で取るべき手順と費用の概算を明確にお示しします。
空き家の問題は早めの一歩で結果が変わります。
行政書士は、あなたの物件に合った、現実的で費用対効果の高い対策を一緒に考え、手続きをサポートいたします。
参考(根拠・出典)
• 国土交通省:「空家等対策の推進に関する特別措置法 関連情報」
• 国土交通省PDF:「空き家政策の現状と課題及び検討の方向性」
• 政府広報オンライン:「空き家の活用や適切な管理などに向けた対策が強化。トラブルになる前に対応を!」
• 南魚沼市:「南魚沼市空家等対策計画」 — 自治体レベルの具体的支援と計画
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※本記事は令和7年11月時点に入手可能な公的情報をもとにしています。年度によって制度内容が変更されている可能性があります。必ず最新の法改正情報などでご確認ください。