行政手続きや許認可の書類作成を「誰に頼めばいいか分からない」「自分でやる時間がない」・・・
そんなときに頼りになるのが行政書士です。
本記事では、行政書士に依頼する代表的なケース、行政書士の法的な立ち位置(できること・できないこと)、依頼前・依頼中に気をつけるべきポイントを、実務と公的ルールを踏まえてわかりやすく整理します。
1.行政書士に依頼するのはどんなケース?(依頼事例とメリット)
まずは具体例。下のどれかに当てはまれば、行政書士に相談・依頼すると時間と手間を大幅に節約できます。
① 代表的な依頼ケース(すぐ頼めるケース)
• 飲食店営業許可、風俗営業・旅館業などの許認可申請(新規・更新・変更)。
• 会社設立(定款作成や登記に必要な書類準備の補助)や法人関係の各種届出。
• 各種契約書、内容証明、遺産分割協議書など権利義務に関する書類の作成。
• 外国人関連の在留資格申請(ただし入管に関する一部は専門性が高いため専門行政書士が対応)。
• 実地調査に基づく図面(面積測定や配置図など)を使う行政手続き書類の作成。
② 行政書士に頼むメリット
• 官公署(役所)提出書類を“正しい形式”で作成し、差戻し・手戻りを減らす。
• 行政側の手続き要件に精通しているため、申請前に不備や要件不足をチェックしてくれる。
• 本人が手続きに行けない場合の代理提出など、時間的コストを削減できる(※代理できる範囲は法令で決まる)。
2.行政書士の立ち位置 — 「何ができて何ができないか」
行政書士ができることとできないことを、依頼前に明確に理解しておくことはトラブル回避の第一歩です。
① 行政書士ができること(要点)
• 官公署に提出する書類の作成(紙・電子を含む)。
• 権利義務・事実証明に関する各種書類の作成(契約書・遺言補助的な書類の作成等)。
• 許認可申請の代理(書類作成と提出、手続きの進行補助)。
② 行政書士ができないこと(代表例)
• 法律で資格独占や行為制限がある業務(例:裁判代理は弁護士のみ、登記は司法書士の領域など)。
• 不正な内容の書類作成(虚偽申請など)は受任義務違反であり、断る・報告が求められる場合がある。
3.依頼前に必ず確認すべき基本チェックリスト(トラブル予防)
依頼後の行き違いを減らすため、相談・依頼時に最低限これだけは確認しましょう。
① 業務範囲(委託する作業の明確化)
→ 「書類作成のみ」「申請手続きの代理まで」「行政とのやり取りの窓口になるか」など範囲を明記してもらう。
② 報酬と支払条件
→ 着手金の有無、成功報酬の有無、追加作業の単価を確認。報酬は事前提示が原則。
③ 納期・スケジュール
→ 役所の審査にかかる目安、行政書士側の着手可能時期を確認。
④ 委任契約書(書面)
→ 口頭だけでなく簡単な委任契約書を交わすと後の証拠になる(受任範囲・報酬・解約条件などを明記)。
⑤ 必要書類一覧と依頼者が用意するもの
→ 本人確認書類や添付資料の有無を事前に把握。
4.注意点:こんな依頼は断られる・断るべきケース(実務上の例)
行政書士には「正当な事由がない限り依頼を拒めない」義務もありますが、一方で「不正の疑いがある場合は受任を拒否すべき」という規則があります。実務で断られやすい典型例は次の通りです。
受任を拒否・お断りされる具体例
• 要件を満たしていない申請(そもそも許可が下りない案件)。
• 虚偽の申請書や不正の疑いがある依頼(違法行為に関与する恐れがあるもの)。
• 書類の重要な情報を提供してくれない依頼者(本人確認が取れない等)。
• 報酬の提示に納得しない、契約条件を守らない依頼者。
• 連絡不能で対応が取れない、あるいは業務量に対して時間が不足しているケース。
※行政書士側は、受任を拒む場合にはその理由を説明し(求めがあれば文書交付)、不正の疑いがあれば受任を拒否する義務があるとされています。
5.依頼者が注意すべき「高圧的・横柄な態度」への対処法
業務を円滑に進めるために、依頼者側も対応を工夫するとよい場面があります。
行政書士側の対応ルールや一般的な対処法をまとめます。
① トラブル防止のポイント(依頼者向け)
• 最初に冷静に契約内容を確認する:報酬・範囲・納期を書面で残す。感情が先行すると双方に不利益。
• 不満はまず事実ベースで伝える:何が遅いのか、どの部分で不満なのかを具体的に示すと改善されやすい。
• 行政書士が法律上できないことを要求されたら、法的根拠の提示を求める(説明責任があるため、納得できるはずです)。
② 行政書士が取るべき対応(依頼者に知っておいてほしい対応)
• 丁寧な説明:業務の限界やリスクを説明する義務がある(職務基本規則)。
• 受任拒否:依頼者が著しく横柄・暴言や脅迫がある場合、行政書士は正当な理由で受任を拒否または契約解消できる。治安や業務遂行に支障がある場合は正当な理由に該当します。
• 文書でのやり取り推奨:口頭だけの約束は将来の誤解を生みます。依頼者側も重要。
6.「行政書士を見下した態度」への実務的な注意と対応(依頼者がやってしまいがちな失敗例)
依頼者の中には「ただの書類作成屋でしょ?」という誤解を持つ人もいます。
そうした認識がトラブルの火種になるケースと、どう対処すべきかを説明します。
① 起きがちな問題
• 書類の重要性や行政手続きのルールを過小評価して、必要書類を提出しない/虚偽情報を要求する。
• 価格だけで業者を突き放す(安さを追求して必要な手続きを省略させる)。
• 行政書士の説明を繰り返し軽視することで、結果的に申請が通らない場合に互いに不満が生じる。
② 建設的な対処法(依頼者として)
• 対等なパートナー意識を持つ:行政書士は依頼者の利益を守る専門家です。疑問は遠慮なく質問する一方、根拠ある説明には耳を傾けましょう。
• 料金と業務の内容を照らし合わせる:安すぎる案件は「手抜き」「必要な手続きを省く」懸念があるので要注意。
7.トラブルが起きたときの流れ
① まずは契約書(委任状)をチェック:範囲・納期・報酬・解約条項を確認。
② 話し合いでの解決を試す:記録(メール・書面)を残したうえで双方の主張を整理。
③ どうしても解決しない場合:所属の行政書士会に相談・苦情申立てが可能(各都道府県の行政書士会が窓口)。
8.よくある質問(FAQ)
Q. 行政書士に頼めば必ず許可が下りる?
A. いいえ。
申請が許認可の要件を満たしているかが最重要です。
行政書士は「許可を取得しやすく整える」ことはできますが、要件を満たさない限り許可は出ません。
Q. 書面の見積もりは必ずもらうべき?
A. はい。
報酬は提示が原則で、後でトラブルにしないためにも書面で受け取ることをおすすめします。
9.まとめ — まずは「目的」を伝えて相談を。安心できる依頼の第一歩
行政書士は「書類作成の代行者」ではなく、行政手続の成否を左右する実務専門家です。
ただし、依頼前に業務範囲・料金・進捗報告・守秘義務などを明確にし、契約(書面)で合意することがトラブル防止の鉄則です。
また、行政書士は裁判代理などできない業務があるため、案件の性質によっては弁護士等の併用が必要になることもあります。
行政手続きで不安なことがある場合は、ぜひ行政書士に早めに相談してみてください。
専門家として、あなたの状況に合わせた最適なサポートをご提供できます。
参考(本文で根拠として使った主な公的・業界資料)
• 日本行政書士会連合会「行政書士の業務」ページ(行政書士の業務範囲と説明)。
• 行政書士法(e-Gov法令検索)。
• 日本行政書士会連合会PDF行政書士職務基本規則(受任拒否・説明義務・報酬提示などの規定)。
• 日本行政書士会連合会PDF行政書士倫理規範・各県行政書士会の倫理綱領(実務上の受任基準や対応)。
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※本記事は令和7年11月時点に入手可能な公的情報をもとにしています。年度によって制度内容が変更されている可能性があります。必ず最新の法改正情報などでご確認ください。