「相続した土地の所在がわからない」
「どこにある土地なのか、誰が所有者なのかわからない」
このような悩みは思っている以上に多く、実際に相続した土地が行方不明、登記が未了といったケースは少なくありません。
特に登記情報が古いままだと、所有者が死亡していて連絡先が不明、証明書類も突き止められないといった事態が起きやすいです。
この記事では、「相続したが土地の所在がわからない」というケースにフォーカスし、
✅ 自分で調べるための具体的なステップ
✅ どこで情報を取得できるのか
✅ 費用の目安
✅ 行政書士ができること/できないこと
といった点まで、わかりやすく解説します。
1.所在不明の土地が起こる背景と注意点
土地情報は本来「法務局の登記簿」に記録されますが、
・相続登記が放置されている
・所有者が転居・死亡して住所変更されていない
・戸籍・住民票の記録が消えてしまっている(除票の保存は5年)
などの理由により、登記簿上の情報と現在の状況が一致しないことがあります。
また、不動産登記は法律上義務ではないため、相続が起きても登記しない人も一定数いるため(※ 2024年4月から相続登記が義務化)、情報が古いまま放置されてるケースがあるのです。
2.土地の所在を調べるための基本的な手順(調査ロードマップ)
以下は、所在不明の土地を探す際に一般的に行われる流れです。
〈ステップ①:土地の「地番」を確認する〉
土地固有の番号である「地番(ちばん)」がわからないと、その後の調査は進みません。
住所(住居表示)だけでは登記簿と紐づかず、調査ができないことが一般的です。
地番の調べ方
• 法務局に電話で住所を伝え、該当地の地番を教えてもらう
• 地番が載った地図(公図)を法務局や市役所で閲覧
• ブルーマップ/地番付き地図で確認
※ いずれも費用は無料または公的資料の閲覧費用のみです。
〈ステップ②:法務局で登記情報を取得する〉
地番が確定したら、不動産の登記情報(登記事項証明書/登記簿謄本)を取得します。
これは誰でも取得可能な公的な記録です。
取得方法
• 法務局窓口で請求(証明書:約600円/通)
• オンラインの「登記情報提供サービス」で取得(約100〜300円程度)
ここで確認できるのは
✔ 登記上の所有者
✔ 所在地・地積(面積)
✔ 権利関係(抵当権等)
〈ステップ③:固定資産税情報(市区町村の名寄帳・納税通知書)で補完する〉
登記簿に載らない情報や、所有者が転居している可能性がある場合、役所の固定資産税の課税台帳(名寄帳)の写しを取得すると、被相続人が過去に所有していた不動産一覧を確認できます。
取得場所・注意点
• 市区町村役場の固定資産税課(納税通知書・名寄帳の写し)
• 相続人であることを示す戸籍等の書類が必要
〈ステップ④:戸籍・住民票で所有者の現住所を追跡〉
登記情報でつかんだ登記名義人の住所が古い場合、住民票の除票・戸籍の附票を利用して移転履歴を追います。
※ 住民票の除票は通常保存期間が5年なので、それ以上前の移転は別ルートで調査が必要になることがあります。
〈ステップ⑤:現地調査・追加調査〉
登記簿や役所の資料だけでは不明な場合、
✔ 現地の聞き込み
✔ 近隣不動産業者へのヒアリング
といった調査も検討します。
3.費用目安(自分で調べる場合)
調査内容と費用目安
登記事項証明書(法務局窓口) : 約600円/通
登記情報提供サービス(オンライン) : 約100〜300円/通
公図・地番閲覧 : 無料〜数百円
戸籍・住民票等 : 数百円〜(自治体により異なる)
※ 戸籍や税情報の取得は自治体ごとに手数料が異なります。
4.行政書士に依頼するときにできること・できないこと
〈行政書士に依頼できること〉
✔ 土地調査の手順設計・調査計画の立案
✔ 役所・法務局との資料請求代行
✔ 相続登記に必要な情報整理・書類作成サポート
✔ 固定資産税課・登記所への照会手続の代行
✔ 戸籍の収集・整理(相続関係図作成など)
行政書士はこれらを通じて効率的に情報を揃え、手続きを進めることができます。
〈行政書士に頼めないこと(原則)〉
✖ 土地の位置を確定する現地測量測定(これは土地家屋調査士の業務)
✖ 相続人が不明な場合の所在探索(弁護士・家庭裁判所手続きが必要なケースあり)
✖ 強制的に第三者の個人情報を開示すること(法令に定められた手続き以外)
※ 複雑な調査や裁判所手続きが必要な場合は、弁護士・司法書士・土地家屋調査士とチームで対応する場合があります。
5.よくある質問(FAQ)
Q1. 登記簿上の住所が実際と違うのですが、どうすればいい?
A. 戸籍の附票や住民票の除票を取得し、転居履歴をたどる必要があります。行政書士が代行可能です。
Q2. 固定資産税の通知が来ない土地はどう調べる?
A. 名寄帳の写し取得で、所有者の他の不動産がわかる可能性があります。
Q3. 相続登記をしないとどうなる?
A. 2024年4月から、相続登記が義務化され、申請期限(相続を知った日から3年以内)が設けられています。早めの対応が重要です。
➡ 相続登記の義務化については「こちらの記事もおすすめ」
6.まとめ:まずは公的情報からスタートを
所在不明の相続土地は、登記簿や市区町村の固定資産税台帳、戸籍といった公的情報を組み合わせて調査することが基本です。
独力で調べることもできますが、手間や時間がかかるケースも多く、専門家(行政書士・司法書士・土地家屋調査士)の協力が効果的です。
一人で悩まず、まずは行政書士などの専門家にご相談ください。
行政書士は、相続した土地の所在調査、必要書類の取り寄せから手続きまで丁寧にサポートいたします。
出典・参考
• 法務省:「登記情報提供制度の概要について」
• 法務省PDF:「相続登記ガイドブック」
• 法務省:「相続登記の申請義務化特設ページ」
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※本記事は令和8年1月時点に入手可能な公的情報をもとにしています。年度によって制度内容が変更されている可能性があります。必ず最新の法改正情報などでご確認ください。