南魚沼市や湯沢町で飲食店を営まれている皆さま、営業許可の更新時期が近づいていませんか?
また、お店の改装や移転、メニューの変更などを検討されていませんか?
飲食店の営業許可に関する手続きは、平成30年の食品衛生法改正により大きく変わりました。
特に令和3年6月の新制度施行後は、許可業種の再編や届出制度の導入など、事業者の皆さまが押さえておくべきポイントが増えています。
この記事では、南魚沼保健所が管轄する地域で飲食店を営む方に向けて、営業許可の更新や変更に関する手続きを、分かりやすく解説します。
1.南魚沼保健所の管轄エリアと基本情報
南魚沼保健所(南魚沼地域振興局 健康福祉環境部 生活衛生課)は、南魚沼市、湯沢町を管轄しています。
飲食店営業許可に関するすべての手続きは、この保健所で行うことになります。
➡ 南魚沼保健所(南魚沼地域振興局 健康福祉環境部 生活衛生課)の所在地と連絡先はこちら
管内には、観光地として人気の湯沢町をはじめ、多くの飲食店が営業しています。
スキーシーズンには観光客が増えるため、特にこの時期に向けた準備が重要です。
2.飲食店営業許可制度の現状:令和3年の法改正で何が変わったのか
まず、現在の制度について正確に理解しておきましょう。
① 新しい営業許可制度の概要
令和3年6月1日に改正食品衛生法が全面施行され、営業許可制度が大きく変わりました。
従来の34業種から、許可業種は32業種に再編されています。
飲食店に関連する主な許可業種は以下の通りです。
〈飲食店営業〉
食品を調理し、または設備を設けて客に飲食させる営業。
一般的なレストラン、カフェ、居酒屋、蕎麦屋、ラーメン店などが該当します。
〈喫茶店営業〉
喫茶店営業は廃止され、「飲食店営業」に統合されました。
既に喫茶店営業の許可を持っている事業者も、更新時には飲食店営業の許可が必要となります。
この変更により、例えばこれまで喫茶店営業の許可のみでコーヒーと軽食を提供していた店舗が、更新時に調理設備の基準を満たす必要が生じるケースもあります。
② HACCPに沿った衛生管理の義務化
もう一つの大きな変更点として、すべての食品等事業者にHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理が義務付けられました。
小規模な飲食店の多くは「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」として、業界団体が作成した手引書に基づく衛生管理を行うことになります。
具体的には、衛生管理計画の作成と実施記録の保存が必要です。
➡ HACCPの考え方を取り入れた衛生管理については「こちらの記事もおすすめ」
3.営業許可の更新手続き:いつ、何をすればよいのか
① 更新が必要となるタイミング
飲食店営業許可の有効期間は、新潟県では5年間または6年間となっています。
許可証に記載されている有効期間満了日までに更新手続きを完了させる必要があります。
有効期間満了日の約2か月前には、保健所から更新のお知らせが郵送されることが一般的ですが、届かない場合もあるため、ご自身で許可書の有効期間を確認しておくことが重要です。
期間満了日を過ぎてしまうと無許可営業となり、営業を停止しなければなりません。
余裕を持って、期間満了日の1~2か月前には手続きを始めることをお勧めします。
② 更新手続きの流れ
〈ステップ1:事前準備〉
• 現在の許可書の内容確認
• 施設の状況確認(改装等で基準を満たしているか)
• 食品衛生責任者の資格確認(有効期限がある場合)
〈ステップ2:保健所への申請〉
更新申請に必要な書類は以下の通りです。
• 営業許可申請書(更新用)
• 施設の構造および設備を示す図面(変更がある場合)
• 食品衛生責任者の資格を証明する書類(免許証や講習会修了証の写し)
• 水質検査成績書(井戸水等を使用している場合)
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• 手数料(南魚沼保健所管内では飲食店営業で16,000円程度)
〈ステップ3:施設検査〉
保健所の食品衛生監視員による施設検査が行われます。
施設基準を満たしているかどうかを確認する重要な工程です。
検査では以下のような点がチェックされます。
• 厨房の広さと動線
• 調理場と客席の区画
• 手洗い設備の位置と構造
• 冷蔵・冷凍設備の温度管理
• 食器棚や保管設備
• 換気設備
• 給排水設備
• トイレの清潔さと手洗い設備
〈ステップ4:許可証の交付〉
施設基準に適合していることが確認されれば、新しい営業許可書が交付されます。
申請から交付までは、通常1~2週間程度かかります。
③ 更新手続きでよくあるトラブル
実際の現場では、以下のようなケースで更新がスムーズに進まないことがあります。
〈ケース1:施設基準を満たしていない〉
開業時には基準を満たしていても、経年劣化や小規模な改装により基準を満たさなくなっていることがあります。
例えば、手洗い設備の水栓が壊れて自動式でなくなっている、排水溝の蓋が破損している、といったケースです。
〈ケース2:食品衛生責任者の資格が不明〉
食品衛生責任者の講習会修了証を紛失してしまい、再発行に時間がかかるケースがあります。
講習会を実施した団体(多くは新潟県食品衛生協会)に問い合わせる必要があります。
〈ケース3:図面が実態と異なる〉
届出なく設備の配置を変更していた場合、実態と図面が合わず、変更届出から行う必要が生じます。
4.変更届出が必要なケース:見落としがちな届出義務
営業許可を取得した後、以下のような変更があった場合には届出が必要です。
届出を怠ると、更新時に問題となることがあります。
〈必ず届出が必要な変更事項〉
⑴ 営業者の氏名・住所の変更
個人事業主の場合、結婚等による氏名変更や転居による住所変更があった場合に届出が必要です。
法人の場合は、商号変更や本店所在地の変更が該当します。
• 届出期間:変更後遅滞なく(できるだけ速やかに)
⑵ 営業施設の名称変更
店名を変更した場合も届出が必要です。
看板だけ変えて届出をしていないケースが意外と多く見られます。
⑶ 食品衛生責任者の変更
担当者が退職した場合や、別の従業員を責任者とする場合に届出が必要です。
新しい責任者は資格要件を満たしている必要があります。
〈変更届と変更申請の違い〉
混同しやすいのが「変更届」と「変更申請」の違いです。
⑴ 変更届(届出のみ)で済むもの
• 営業者の氏名・住所
• 施設の名称
• 食品衛生責任者
⑵ 変更申請(新たな許可が必要)となるもの
• 施設の構造設備の大幅な変更
• 営業者の変更(事業譲渡など)
• 営業所の所在地変更(移転)
施設の改装を計画している場合は、その内容が「変更届」で済むのか「新規の許可申請」が必要なのか、事前に保健所に相談することが重要です。
壁の位置を変える、厨房機器を増設する、といった変更は新規申請が必要となるケースが多くあります。
5.よくある質問と回答
実際に多く寄せられる質問について、回答します。
Q1. 許可の有効期間が切れる直前でも更新できますか?
A. 手続き自体は可能ですが、施設検査のスケジュールや書類の不備などで、期間満了日までに新しい許可書が交付されない可能性があります。
その場合、一時的に営業を停止せざるを得なくなります。
最低でも1か月前、できれば2か月前には手続きを開始してください。
Q2. 更新の際、施設の検査は必ず行われますか?
A. 原則として、更新時にも施設検査が行われます。
ただし、施設に変更がなく、これまでの営業状況に問題がない場合は、簡易な確認で済むこともあります。
保健所の判断によりますので、詳しくは保健所にお問い合わせください。
Q3. 食品衛生責任者の資格に有効期限はありますか?
A. 食品衛生責任者養成講習会の修了証に有効期限はありません。
一度取得すれば生涯有効です。
ただし、調理師や栄養士などの資格で食品衛生責任者となっている場合、その免許証の有効性を示す必要があります(調理師免許や栄養士免許は更新不要ですが、免許証の提示が求められます)。
なお、食品衛生責任者は、定期的に講習会を受講することが望ましいとされています(義務ではありません)。
Q4. 営業許可書を紛失してしまいました。どうすればいいですか?
A. 南魚沼保健所で再交付の手続きができます。
再交付申請書を提出し、手数料を支払うことで新しい許可書が交付されます。
更新手続きと同時に行うこともできますので、早めに相談してください。
Q5. 店舗を改装したいのですが、どの程度の変更なら届出だけで済みますか?
A. 内装の色を変える、看板を付け替えるといった、施設の構造や設備に影響しない変更であれば届出も不要です。
一方、壁の位置を変える、シンクを増設する、厨房の配置を変えるといった変更は、新たな営業許可が必要となる可能性が高いです。
計画段階で図面を持参し、保健所に相談することを強くお勧めします。
Q6. 法人化した場合、営業許可はどうなりますか?
A. 個人事業から法人成りした場合、営業者が変わるため、新たに営業許可を取得する必要があります(承継の手続きは限定的です)。
法人化を予定している場合は、許可の更新時期との兼ね合いも考慮して計画を立てることが重要です。
Q7. 他の市町村から移転してきました。以前の許可書は使えますか?
A. 営業許可は施設ごとに与えられるものであり、他の自治体で取得した許可を引き継ぐことはできません。
南魚沼市や湯沢町で新たに店舗を構える場合は、南魚沼保健所で新規の営業許可を取得する必要があります。
Q8. オンライン申請はできますか?
A. 新潟県では、食品営業許可の電子申請システムが整備されつつありますが、すべての手続きがオンラインで完結するわけではありません。
特に施設検査は必ず実地で行われます。
電子申請の利用可否については、南魚沼保健所に最新の状況を確認してください。
6.行政書士にできること・できないこと
飲食店営業許可の手続きについて、行政書士がお手伝いできる範囲をお伝えします。
〈行政書士に依頼できる業務〉
① 申請書類の作成・提出代行
営業許可申請書や変更届出書などの作成、保健所への提出代行を行うことができます。
書類の記入方法が分からない、時間がないという事業者の方に代わって、正確な書類を作成します。
② 施設図面の作成
営業許可申請に必要な施設の平面図、設備配置図などの作成をサポートします。
手書きの図面では不十分な場合や、図面作成に不安がある方に対応できます。
③ 事前相談の同行
保健所での事前相談に同行し、専門的な観点からアドバイスを受けるお手伝いをします。
設備基準を満たしているか、どのような準備が必要かなど、開業前の相談段階から関わることができます。
④ 更新時期の管理とお知らせ
許可の有効期間を管理し、更新時期が近づいたらお知らせするサービスを提供できます。
複数店舗を経営している場合など、更新忘れのリスクを減らすことができます。
⑤ その他関連許可の取得サポート
深夜酒類提供飲食店営業の届出(警察署への届出)、風俗営業許可など、飲食店に関連する他の許可・届出についても、行政書士の業務範囲内で対応できます。
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〈行政書士にできないこと〉
一方で、以下の業務は行政書士の業務範囲外となります。
① 施設の設計・工事
施設の設計や実際の工事は、建築士や建設業者の業務です。
行政書士は設計図の作成や工事の手配はできません。
② 食品衛生に関する技術的指導
HACCPの具体的な運用方法や、食品の取扱いに関する技術的な指導は、保健所の食品衛生監視員や、専門のコンサルタントの領域です。
③ 税務・会計業務
飲食店の開業に伴う税務署への届出、帳簿の記帳、確定申告などは税理士の業務です。
④ 労務管理
従業員を雇用する際の社会保険手続き、労働契約書の作成などは社会保険労務士の業務です。
⑤ 保健所の判断を左右すること
行政書士はあくまで書類作成や手続きのサポートを行う立場であり、保健所の許可・不許可の判断に影響を与えることはできません。
施設基準を満たしていない場合に、それを覆すような働きかけはできません。
〈行政書士に依頼するメリット〉
① 時間の節約
飲食店経営者の本業は、美味しい料理やサービスを提供することです。
慣れない書類作成や保健所とのやり取りに時間を取られるよりも、専門家に任せることで本業に集中できます。
② 正確な手続き
許可申請には細かいルールがあり、不備があると何度も保健所に足を運ぶことになります。
行政書士に依頼することで、一度で正確な申請ができる可能性が高まります。
③ 開業スケジュールの確実性
新規開業の場合、オープン日に間に合わせるためには綿密なスケジュール管理が必要です。
行政書士は手続きの流れを熟知しているため、確実なスケジュールで準備を進められます。
④ トータルサポート
飲食店開業には、営業許可以外にも多くの手続きが必要です。
深夜酒類提供の届出、法人設立、建設業許可(大規模改装の場合)など、関連する手続きをワンストップで相談できる場合もあります。
7.南魚沼市・湯沢町特有の注意点
地域特性を踏まえた、この地域ならではの注意点をお伝えします。
① 観光地特有の課題
湯沢町は冬季の観光客が多く、スキーシーズンに合わせた営業が中心となる飲食店も少なくありません。
シーズン営業の場合でも、営業許可は通年で有効期間が設定されるため、更新を忘れないよう注意が必要です。
また、民宿や旅館に併設する形で飲食店営業を行う場合、旅館業の許可とは別に飲食店営業の許可が必要となるケースがあります。
宿泊客以外にも食事を提供する場合などは、事前に保健所に確認してください。
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② 積雪への対応
南魚沼地域は豪雪地帯です。
施設の給排水設備は、凍結対策が十分に施されている必要があります。
冬季に水道管が凍結して営業できないといった事態を避けるため、施設の維持管理には特に注意が必要です。
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③ 井戸水使用の施設
山間部では井戸水を使用する施設もありますが、営業許可を取得するには水質検査が必要です。
検査項目や頻度については、保健所の指示に従ってください。
井戸水の場合、大雨や融雪期には水質が変化する可能性があります。
定期的な水質管理が重要です。
8.営業許可以外の必要な届出・許可
飲食店を営業する上で、営業許可以外にも必要となる可能性がある手続きについて触れておきます。
① 深夜酒類提供飲食店営業の届出
午前0時以降も酒類を提供する飲食店は、所轄の警察署に「深夜酒類提供飲食店営業」の届出が必要です。
これは保健所への営業許可とは別の手続きです。
届出には、営業許可証の写しも必要となるため、保健所での許可取得後に警察署へ届出を行う流れとなります。
② 防火管理者の選任
収容人員が30人以上の飲食店では、防火管理者を選任し、消防署に届け出る必要があります。
防火管理者は講習を受講して資格を取得する必要があります。
③ 個人情報保護に関する対応
予約管理などで顧客情報を取り扱う場合、個人情報保護法に基づく適切な管理が必要です。
令和4年4月の法改正により、事業規模に関わらずすべての事業者が対象となっています。
9.最近のトピック:デリバリーサービスと営業許可
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、デリバリーやテイクアウトサービスを始める飲食店が増えています。
店内飲食の許可を持っている飲食店が、同じ施設でテイクアウトサービスを行う場合、新たな許可は不要です。
ただし、以下の点に注意が必要です。
• 食中毒予防のため、適切な温度管理を行うこと
• 消費期限や保存方法を適切に表示すること
• 配達する場合は、配達中の温度管理にも注意すること
一方、別の場所にキッチンカーを設置する、中央調理施設を設けて複数店舗に配送するといった場合には、別途営業許可が必要となります。
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10.まとめ:手続きで困ったら早めの相談を
飲食店の営業許可に関する手続きは、法改正により複雑化している面もあります。
特に以下のようなケースでは、専門家のサポートが役立ちます。
• 初めて飲食店を開業する
• 施設の改装を予定しており、許可が必要かどうか判断できない
• 複数店舗を経営しており、更新時期の管理が煩雑
• 本業が忙しく、手続きに時間を割けない
• 確実にオープン日に間に合わせたい
当事務所では、南魚沼市、湯沢町を中心に、飲食店営業許可に関する各種手続きをサポートしています。
事前相談から申請書類の作成、保健所への提出代行まで、きめ細かく対応いたします。
「こんなことで相談してもいいのかな」と思うような些細なことでも、お気軽にお問い合わせください。
早めの相談が、スムーズな手続きにつながります。
営業許可の更新時期が近づいている方、新規開業を検討されている方、施設の変更を予定されている方は、ぜひ一度ご相談ください。
地域の飲食店経営者の皆さまを、全力でサポートいたします。
お問い合わせ・ご相談は「当事務所ホームページ」から承っております。
出典・参考情報
• 新潟県ホームページ「にいがた食の安全インフォメーション」:飲食店営業許可
• 新潟県南魚沼保健所「食品営業許可について」
• 厚生労働省「食品衛生法の改正について」
• 厚生労働省「HACCPに沿った衛生管理の制度化について」
≪南魚沼で行政書士をお探しの方へ≫
当事務所では、飲食店営業許可などの各種許認可申請、相続手続きなど、地域に寄り添ったサポートを行っております。
ご相談の内容により、他の専門家(司法書士・税理士など)との連携や、ご紹介をさせていただきます。
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「にわの行政書士事務所」のホームページ
※本記事は令和8年1月時点に入手可能な公的情報をもとにしています。年度によって制度内容が変更されている可能性があります。必ず最新の法改正情報などでご確認ください。