飲食店の新規開業でまずつまづきやすいのが「どんな図面を用意すればいいのか」「いつ保健所に相談すればよいか」です。
ここでは、南魚沼市・湯沢町(南魚沼保健所管内)で飲食店営業許可を取る際に必要な平面図の作り方、保健所との事前相談のタイミング、行政書士がお手伝いできること・できないことを、具体的かつ実務的にまとめます。
本記事の要点
• 申請は「営業開始の概ね2週間前」を目安に保健所へ。余裕を持って準備しましょう。
• 図面(平面図)は必須書類の一つ。様式は厳格ではないが、構造・設備の配置が分かることが最重要です。
• 新築・改装がある場合は工事着工前の事前相談を強く推奨(保健所で基準を満たすか事前確認)。
- 1.最初にやること:用途と営業形態を確定する
- 2.初期プラン(ラフ)→ 図面作成の準備
- 3.平面図(図面)作成のポイント — 保健所が見るポイント
- 4.図面は手書きでも可だが、CADで作るメリット(行政書士の実務)
- 5.事前相談(保健所)――いつ行くか、何を持参するか
- 6.申請〜施設検査〜営業開始までの流れ(実務フロー)
- 7.よくあるトラブルと回避策(実例ベース)
- 8.行政書士に依頼するメリット(費用対効果)
- 9.南魚沼市・湯沢町でのローカルな注意点
- 10.実務チェックリスト(図面作成〜申請用)
- 11.料金例と見積りの考え方(参考)
- 12.まとめ:図面と事前相談が、飲食店開業の成否を分ける
- ≪南魚沼で行政書士をお探しの方へ≫
1.最初にやること:用途と営業形態を確定する
まず「何をどこで出すか(定食中心か居酒屋か、テイクアウトのみかなど)」を決めます。
営業形態で適用される要件(厨房の区画、手洗い設備、換気、専用の調理台など)が変わるためです。
営業形態が曖昧だと図面や設備計画がブレます。
2.初期プラン(ラフ)→ 図面作成の準備
準備する情報(図面作成に入る前)
• 店舗の配置(ビル内ならフロア全体図、テナント位置)
• 想定する座席数・客席レイアウト(必要な客席面積の把握)
• 調理内容(フライ、揚げ物、冷製のみ等)—衛生基準に影響します
• 水道の種類(公営水道か井戸など)や排水の経路
• トイレ、更衣室などの配置予定
これらを揃えてから図面作成に進むと、保健所の確認がスムーズになります。
3.平面図(図面)作成のポイント — 保健所が見るポイント
保健所に提出する平面図は「様式は自由」ですが、以下の情報が分かりやすく記載されていることが求められます。
図面が不十分だと差戻しや保健所からの指示が増え、開業が遅れます。
必須で記載すべき項目(実務的チェックリスト)
• 店舗全体の縮尺・寸法(外周の長さと部屋ごとの寸法)
• 客室、調理場(厨房)、洗浄場、食品庫、更衣室、便所の位置・広さ(各ゾーンがはっきり分かること)
• 流し(シンク)や手洗い設備の位置、給湯器・給水の経路、排水経路
• 冷蔵庫・冷凍庫、食品加工機器、食器棚など主要設備の配置
• 換気扇・窓・換気経路(防虫・換気措置の説明が必要になる場合あり)
• 出入口の位置(出入口数)、客席導線、ゴミ置場
• 建材(床・壁・天井)に関する簡単な材質メモ(例えば「床:耐水性・平滑」等)
また、集合ビルなどでフロア全体の占有範囲が分かる「フロア全体図」や周辺の見取り図も必要になります。
4.図面は手書きでも可だが、CADで作るメリット(行政書士の実務)
保健所は図面の形式を厳格に指定しない自治体が多いですが、読みやすさ・修正のしやすさでCAD図面を作ることをおすすめします。
行政手続きで多くの修正や追加説明が発生するため、電子データ(CAD)は後の修正が早く、保管・提出が楽です。
Jw_cadは行政業務で広く使われている無料の2次元CADで、行政書士や設計者の間でも標準的に利用されています。
行政書士が図面作成で提供できること(例)
• 保健所提出用の平面図作成(Jw_cad):寸法・縮尺・設備配置を反映して作成
• フロア全体図や求積(面積)算出、図面のPDF化・印刷、データ(JWW/DXF)での納品
• 保健所からの「ここを直してください」指示に応じた図面修正と再提出資料作成
※行政書士は建築士ではないため、構造計算や建物の耐震性評価、建築確認申請の代理は原則できません(建築士や行政手続きの分野ごとの専門家へつなげる形になります)。
その点は事前に明確にして業務範囲を取り決めます。
※Jw_cadについては、「【行政書士×CAD】許認可で必要な図面はどこまで作れる?Jw_cadの活用術と注意点まとめ」もご覧ください。
〈参考:Jw_cadにより作成した平面図〉

5.事前相談(保健所)――いつ行くか、何を持参するか
① いつ相談する?
• 設計や改装がある場合は、工事着手前に必ず事前相談を行ってください(基準を満たさない設計で工事を進めると、やり直しや追加工事が発生します)。
保健所での事前相談は実務上の最重要ステップです。
② 事前相談に持っていくもの(推奨)
• 図面(ラフでも可、できれば平面図)
• 想定メニューや提供方法の概要(持ち帰りの有無、加熱調理の有無など)
• 水の供給・排水の方法が分かる資料(井戸や浄化槽を使う場合は水質検査結果が必要になることがあります)
• ビルテナントの場合はフロア全体図・テナント区画が分かる資料
保健所の職員と「この設計で基準を満たすか」を早めに確認することで、無駄な工事コストを避けられます。
6.申請〜施設検査〜営業開始までの流れ(実務フロー)
① 事前相談(設計段階〜工事前) — 図面持参で保健所へ相談
② 内装工事・設備工事の実施(保健所の指摘に基づき改修)
③ 許可申請書類の作成・提出(営業開始の概ね2週間前を目安に)
提出書類は以下が主です。
・食品営業許可申請書
・施設の平面図(様式は自由だが必須)
・施設付近の見取り図(集合ビルならフロア全体図)
・食品衛生責任者の資格証明等
・水質検査結果(自営水を使う場合)
④ 保健所による施設検査(現地検査) — 申請後、保健所職員が施設の基準適合性を確認します。
自治体によっては検査希望日について「希望日の1週間前までに申請」といった運用があることもあります。
⑤ 検査で問題なければ営業可能(許可証交付は数日〜10日ほど要する自治体もあります)。
7.よくあるトラブルと回避策(実例ベース)
• 図面に「手洗い設備」が未記載で保健所に差戻し → 図面作成段階で手洗いは必ず明示。
• 換気措置(換気扇の位置)を記載していなかったため再検査 → 換気経路は事前相談で必ず確認。
• 水源が「井戸」だったが水質検査を怠り営業停止の可能性 → 事前に水質検査を済ませ、申請書類に添付。
8.行政書士に依頼するメリット(費用対効果)
• 保健所に受け入れられやすい図面(見やすい・指摘の出にくい)を作成でき、工事のやり直しリスクを減らす。
• 保健所との事前相談に同席して、保健所指摘を図面に即反映(コミュニケーションの仲介)。
• 申請書類の作成・チェック、提出代行、検査対応の調整を任せられるため、業者・工事担当者と並行して進行できる。
できないこと(行政書士の業務範囲)
• 建築確認申請書類の作成や構造設計(これは建築士の業務)
• 電気・ガスの工事自体(工事は専門業者へ依頼)
• 保健所の最終判断を保証すること(最終判定は保健所の審査による)
9.南魚沼市・湯沢町でのローカルな注意点
• 新潟県内(南魚沼保健所管轄)の自治体ページでは「開業約2週間前までに申請」との案内が出ています。
地域による運用差(検査日の設定、混雑状況)もあるため、早めの事前相談を強くおすすめします。
• 「営業届出制度」など、食品衛生法改正により届出で済む場合がある営業類型もあります。
該当するかは保健所に確認が必要です。
10.実務チェックリスト(図面作成〜申請用)
① 店舗用途・メニューの確定
② ラフ図(寸法入り)作成 → 行政書士へ渡す(Jw_cadでの清書依頼可)
③ 保健所へ事前相談(設計段階・工事着手前) — 図面(ラフ)を持参
④ 工事・設備設置(保健所指摘を反映)
⑤ 許可申請(開業約2週間前に目安で提出) — 図面(PDF・原本)・見取り図・責任者証明等を添付
⑥ 保健所の施設検査 → 合格で営業(許可証交付待ち)
11.料金例と見積りの考え方(参考)
料金は事務所ごとに差があります。
図面作成(Jw_cad)+申請代行のパッケージを用意する行政書士が多く、「図面作成+申請書作成+保健所同行」をセットにした見積もりが一般的です。
具体的な金額は物件の規模や手直し回数で変わるため、お問い合わせください。
12.まとめ:図面と事前相談が、飲食店開業の成否を分ける
南魚沼市・湯沢町で飲食店営業許可を取得する際、最も重要なのは「平面図の完成度」と「保健所への事前相談のタイミング」です。
この2つを後回しにすると、申請の差戻しや工事のやり直しが発生し、開業時期や予算に大きな影響が出てしまいます。
特に、
• 図面に必要な設備や寸法が正しく反映されていない
• 営業内容と施設基準が合っていないまま工事を進めてしまう
• 保健所に相談する前に内装工事が完了してしまう
といったケースは、実務上よくあるトラブルです。
その点、保健所提出を前提とした平面図を早い段階で作成し、工事前に事前相談を行うことで、これらのリスクは大きく減らせます。
行政書士であれば、Jw_cadを使用した分かりやすい図面作成から、保健所との事前相談・申請手続きまで一貫してサポートできます。
「この図面で本当に許可が下りるのか不安」
「保健所に何を持って行けばいいのか分からない」
「工事を始めていいのか判断できない」
このようなお悩みがあれば、自己判断で進める前に、ぜひ一度行政書士へご相談ください。
開業準備の初期段階から関与することで、余計な時間やコストをかけず、スムーズな飲食店開業を実現できます。
出典(本文で参照した主要公的資料・実務参考)
・新潟県「食品営業許可申請」—食品営業許可の全体説明
・新潟県「【南魚沼】食品営業許可 各種手続をご説明します」 — 所管保健所の案内と手続き。
・Jw_cad公式および業務での利用説明
≪南魚沼で行政書士をお探しの方へ≫
飲食店の図面作成や保健所との事前相談の準備は、早めの着手が成功の鍵です。
図面の精度が上がるほど、工事のやり直しリスクや余計なコストを抑えられます。
当事務所ではJw_cadによる図面作成、保健所相談の同席、申請書類の作成・提出代行まで一貫してサポートしています。
まずは「図面のラフ」や「想定メニュー」をご用意のうえ、お気軽に当事務所のホームページからご相談ください。
あなたの開業を最後までサポートします。
当事務所の詳細はホームページをご覧ください。
「にわの行政書士事務所」のホームページ
※本記事は令和7年12月時点に入手可能な公的情報をもとにしています。年度によって制度内容が変更されている可能性があります。必ず最新の法改正情報などでご確認ください。